【全長60cm】直腸に巨大なオモチャが入り込んで抜けない→イタリア人医師の機転により解決

健康

シャンプーのボトル、ガラス瓶のジュース、カラフルなピンポン玉、人形。これらのものには、共通する特徴がある。

列挙されたワードだけを見ると、「女子大生がインスタ用に使う小道具」的な感じであるが、正解としては、「なぜか人の直腸内に入りがちなもの」である。

「なぜか直腸内に異物が入った」として受診する案件は、古今東西でよく起こる。しかし、この「直腸内異物案件」は、医療従事者を非常に悩ませる問題でもある。

異物の形状や場所、挿入からの時間など、状況に応じて異物除去の方法論は変わってくる。事に当たる医師には、臨機応変な思考・対応が要求されるのである。

全長60cm、巨大直腸内異物との戦い

ある日のこと。イタリア・ミラノの病院に勤務する医師達のもとに、「直腸から異物が入り込み抜けなくなった」という患者がやってきた。

患者は31歳男性。救急救命室に運ばれたのち、X線検査が行われた。

患者のレントゲン写真には、全長60センチの性玩具(ディルド)がくっきりと映し出され、その先端は体の奥深くにまで到達していた。

患者は「手で取り出せなくなってしまって、24時間ぐらい入ったままになっている。症状としては少しお腹が痛いくらいで、基本的には元気だ」と状況を説明。

担当医となった内視鏡医・ロレンゾ・ディオスコリディ医師と彼の同僚達は、巨大異物を取り出すためあらゆる方法を試したが、すべて失敗に終わってしまった。

「その異物は固くて、滑らかでなく、そしてあまりにも大きかった」医師達はそう回想している。

内視鏡医であるロレンゾ医師は、「大腸ポリープを切除する時に使うループ状のワイヤー」なども利用してみたそうだが、そのワイヤーはやわらかすぎて、異物をしっかりと捕らえる事ができなかった。

もう、外科的に開腹手術するしかない──誰もがそう思い始めていた。

しかしロレンゾ医師はとっさに、その場にあった医療用のワイヤー(固め)と気道確保用のステントチューブを使って、即席でループ状ワイヤーを作成。それによって異物をしっかりと掴む事ができ、そのまま引きずり出すことに成功したそうだ。

ロレンゾ医師はこの症例について論文を執筆して投稿。いろんな意味で、世界中から注目を集める事になった。

もうダメだと思ったとき、万策尽きたと思ったとき、そんなときにこそイノベーションは生まれる。

あきらめなければ、きっと道は見えてくるのだ。

参照元:IFLScienceInt J Surg Case Rep.

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yamada

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