悲しいことに、多くの国で自殺者は一定数存在しており、政府やNPO法人は自殺を防止するために様々な工夫をしている。
でも、一般人の声が自殺を思いとどまらせることもあるのかもしれない。
女子大生が6人の命を救う
イギリスの大学に通う18歳の女子大生、ペイジ・ハンターさんが話題となっている。彼女は、ウェアモス橋という自殺者の多い場所にメッセージを書いた紙を貼り、6人もの命を救ったのだ。
素晴らしい行為であることは間違いないが、そもそも彼女は何故、自殺者を救おうと思ったのか?
実は、過去に彼女自身も自殺を考えていた時期があったという。
自身の悲惨な体験
14歳の頃、ペイジさんは暴漢に襲われた。そのときから、彼女はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状に苦しめられることとなった。一週間の間に70回もフラッシュバックが起きることもあった。
「橋に行って、何度も『自分には生きている意味があるのか』と考えました」と語る。そんな彼女を救ったのは、名前も知らぬ赤の他人の2人だ。その2人はペイジさんに「今自殺してしまうよりも、生きている方がずっと価値がある」とさとし、警察が到着するまで一緒にいてくれた。
その後、自殺を思いとどまらせてくれた2人には会うことができなかったが、彼女はとても感謝しているという。
そして、その経験から1つでも多くの命を救いたいと考え、橋に「あなたは1人じゃない」「あなたの命は無駄じゃない」などのメッセージを貼るようになった。
そんな彼女の活動が実を結び、これまでに6人の命を救い、警察に表彰された。
A Sunderland teenage has been commended for her great work supporting those going through a mental health crisis. Read what Paige Hunter did here: https://t.co/jCdeBoZqVm pic.twitter.com/uwBSdJzlt4
— Northumbria Police (@northumbriapol) 2018年7月22日
ペイジさんは自身が表彰されたことについて「自分がそうしようと思ったからやっただけ。表彰されるためじゃないわ。」と語った。
誰が書いたかわからないメッセージでも、極限の状態の人の心を動かし、救うことができる。現在でも、ペイジさんは活動を続けており、メッセージの数は増えている。
彼女の言葉はこれからも多くの命を救うだろう。