警官になるための2つのテストとは?
警察官になるための条件として、日本では教養やある程度の体格が必要とされている。
しかしインドネシアでは、まず2つのテストをクリアしなければならないという。
そのテストというのが、1つ目は「美貌」、そして2つ目は「処女であること」だというのである。
2本の指で処女膜の有無をチェック
今回、ザキアさん(仮名)という一人の女性の告発によって事態は明らかになった。
今年はじめに警官の採用試験を受けたザキアさんだったが、彼女は処女テストの結果で不採用になってしまったというのだ。
男性が2本の指を膣の奥に入れて処女膜の有無を確かめるんです。武道をしている私の処女膜は激しい動きやぶつかった拍子に破けてしまったのかもしれません。テストをしたのはきちんとした医師ではありません。あの時のことを思い出すと悔しくて涙が止まらなくなります。
自分の貞操を守れる人が市民を守れる
募集要項には記載されていないものの、長年にわたり、インドネシアでは「身体検査」という名目で処女テストがおこなわれていたようだ。職務に関係なく矛盾しているかのように思えるテストだが、実は肯定する人も多いのだ。
警官として働く27歳の女性は「処女であるということは自分を守ることができる女性。他人を守るためには自分を守ることができなければならない。」と話し、国際人権団体『ヒューマン・ライツ・ウォッチ』のアンドレアス・ハルソノ氏も「売春婦やセックスライフが盛んな女性を社会が警官として受け入れるはずがない。軍隊でも同様のテストをしている。」とテストの正当性を訴えている。
繰り返される女性への人権侵害
インドネシアで女性が警官として働くためには、他にも条件がある。
テストをクリアし警官になった女性たちは、就任して最初の2年は結婚することが許されていない。また結婚した場合も、働き続けるのであれば夫となる男性の許可が必要なのだ。
これまでテストの実態が報告されなかったのは、この件に関して容認されていた事実があったのかもしれない。前出の女性のように処女を守れる人こそ強い女性と考える人もいるかもしれないが、多くの人は人権を侵害されてまで警官になりたくないとその夢をあきらめてしまうのではないだろうか。