学生詐欺師が1億円分のiPhoneを詐取
アメリカ・オレゴン州で学ぶ2人の中国人学生が、アップルから約1億円(90万ドル)相当のiPhoneをだまし取ったとして、4月上旬に逮捕された。
その方法というのは、偽物のiPhoneを輸入し、それをアップルの返品交換に出して新品を手に入れるというもの。
連邦検察官によると、2人はメールアドレスと郵送先の住所を大量に作るなど、緻密な計画をたてて犯行に及んでいたことが明らかになっている。
捕まったのは、ジャン・チュエンとジョウ・ヤンヤンという学生で、当時技術を学ぼうとアメリカに留学していた。
公表された裁判資料によると、二人は中国から偽装iPhoneを大量に仕入れ、「電源が入らない」「壊れている」などといってアップルケア(公式の修理サービス)に出し、交換を受けることで新品の本物を手に入れていたという。
また、中国本土にも偽iPhoneを発送していた仲間がいたとみられ、2017年春から2018年5月にかけ、およそ3069本もの偽装iPhoneを受け取っていたことが明らかになっている。
ブランド保護に詳しい専門家によると、アップルは1台あたり600ドル分の補償を行い、その処理は1493件にものぼったとされている。これにより、被害総額は少なくとも89万5800ドルだったことが判明した。
なお、この事態はIMEIナンバーから発覚。これは製造番号のことを指し、番号を検索することで、どこでいつ製造されたかが一目でわかるようになっている。通常、この機能は盗難された機種や偽装機種を確認するために使用される。
容疑者の一人であるジャンは、2018年にも詐欺や偽装品売買で起訴されており、懲役20年と200万ドルの罰金が課せられていた。彼の自宅からは共犯者ジョウの名前が記された箱が発見されており、ジョウもまた1万ドル以下の罰金と、懲役5年が求刑されている。
二人は「偽物だとは知らなかった」と容疑を否認しているという。