8月15日、チェコ共和国にある大学病院で、身長42cm、体重2130gの元気な女の子が誕生した。
だが、この出産は極めて異例のものだった。なぜなら、女児の母親(27)は約4ヶ月前に脳死判定を受けていたからである。
脳死した妊婦が117日後に出産
女児の母親は今年4月21日に脳卒中で倒れ、病院に緊急搬送されたものの脳死と判定された。このとき、妊娠16週であった。
だが、胎児の心音は強く、女性も生前いたって健康であったことから、残された家族たちは女性に生命維持装置をつける決断をし、経過を見守ることにしたという。
女性にぬいぐるみを握らせたり、絵本の読み聞かせもした。血行を良くするため女性の足を機械で動かし、胎児の成長を促した。脳死してしまった女性ができなかった出産に備えての準備が家族たちの手によって行われ、胎児にたっぷりの愛情が注がれたのである。
そして、脳死判定から117日後の先月15日、妊娠34週目だった女性は帝王切開で元気な赤ちゃんを出産したのだ。
周囲のサポートが生んだ奇跡
出産後、夫ら家族たちに見守られながら女性は延命治療を終えた。
このように妊婦が脳死状態で出産したという前例はこれまでに20例ほど報告されているという。だが、胎児の健康状態にはバラつきがあり、今回のように体重2000gを超える赤ちゃんは珍しいようだ。
家族や医療チームの献身的なサポートがなければ、妊娠を維持することはもちろん、元気な赤ちゃんを出産することは難しかっただろう。愛娘の成長を側で見ることはできずとも、最後の力を振り絞り母親の任務を果たした女性は、とてつもなく強く偉大な母親なのではないだろうか。
現在、女性の家族らと生活をしている女児だが、これからもたっぷりの愛情を受けて元気に成長することを願ってやまない。
参照元:YouTube、NewYorkPost