ショットガンを持った生徒を抱きしめたコーチ
10月18日、米オレゴン州マルトノマ郡地区検察が公開した1本の動画が、世界中に感動を呼んでいる。
事件が起きたのは今年5月。同州ポートランドにあるパークローズ高校で、男子生徒が学校にショットガンを持ち込み教室に入ろうとしたのだ。
事件当時、ショットガンを持ち込んだ生徒を教師が取り押さえたと報道されていたのだが、実際は違った。
事件に気付いたコーチは、生徒を取り押さえたのではなく抱きしめ諭し続けた。生徒から奪ったショットガンを他の職員に渡し、ただただ両手で生徒を抱きしめ続けたのだ。
生徒は他人を傷つけるつもりはなく自殺しようとしていたというが、コーチのこの行動により改心し号泣したという。ショットガンに弾は1発しか入っておらず、発砲されることなく回収されたようだ。
あの日あの場所に居たことの意味
この生徒を抱きしめ続けたのは地元の元フットボール選手で、同高校ではフットボール部と陸上部のコーチを務めるキーノン・ロウさん。彼は今回の件を受け、こうメディアに話している。
この類いの事件は、大抵の場合は悲劇に終わります。あの日あの場所に自分自身が居たことに意味を感じました。
近年、アメリカでは高校や大学での銃乱射事件が立て続けに起きている。そんななか、誰ひとりとして犠牲になることなく事なきを得たのは、ロウさんの勇気ある行動があったからだろう。
男子生徒は銃器の不法所持などの罪で3年間の保護観察処分を言い渡されたというが、このような事件が相次ぐ中、米政府は銃問題に一刻も早く取り組む必要があるのではないだろうか。