なぜ騙せると思った!?
アラジンに登場する「魔法のランプ」は、こするとあらゆる願いを叶えてくれる魔人が出てくるものとして有名だ。とはいえ、あくまでもフィクションの世界のもの。
まさかこのランプで詐欺を働こうとはだれが思いつくだろうか。
被害にあいかけたのは、インド・ウッタープラデーシュ州在住の医師、ラエク・カーン氏。彼は2018年、市内にあるサメナという女性の患者の自宅を訪れ、手術箇所のガーゼを変えるなどのアフターケアを行なっていた。
そんな中、突如イスラムディンという怪しい男と出会った。この男は自らの職業を「タントリック」と称しており、カーン医師に「億万長者にしてやろう」と約束したという。
イスラムディンはカーン医師をまた別の男に紹介すると、2人は「願いを叶えるためです」といい、アラジンの魔法のランプをなんと33万ドル(3500万円)で売りつけたのである。
明らかに詐欺にしか思えないが、なんとカーン医師は購入を決定。
その後の報道で、カーン医師は「2人は説得力があった」と話しており、香水を駆使することで、ランプの中から魔人が出てきているように思い込ませられたと主張している。
そうして何度かの支払いを行った後、家にランプを持ち帰らせて欲しいとたのんだが、なぜか2人は拒絶。「悪いことが起きますよ」「触るだけで不幸になる」と彼に言い続けたという。ようやくここで、カーン医師は詐欺であると気づいたそう。おそらく他のカモを騙すために使おうとしていたのだろう。
その後、医師は警察に相談し、2名の自称タントリックは逮捕。魔法のランプも押収されたというが、魔人が出てくる様子はなかったという。また、カーン医師が診ていたサメナという患者は、イスラムディンの妻であることが分かり、警察は行方を探しているという。
ちなみにタントリックは、「タントラ」というヒンドゥー教関連の教義を説く宗派の一つ。日本ではこの名前をとって「タントラヒーリング」などとして知られている。