二人のサーファーの発明が海を救う
まずはこの動画を見ていただきたい。
海に浮かぶごみがバケツのようなものに吸い込まれているのが分かるだろうか。海に人工的な穴が開いたようにも見える。さながら魔法である。
砂浜に貝殻や海草に混じって、しばしばビニール袋やペットボトルなどが打ち上げられているのを見たことがある人も多いだろう。海のごみは、地上のごみのように拾うということができず、処理が難しい。そんな中、海に浮かべるだけでそのごみを回収できるこの装置が開発された。
この装置は「シービン:Seabin」という名で、海を愛する2人のオーストラリアのサーファーによって作られたものである。仕組みは単純で、ごみが海水と共にバケツの中に流れ込み、そのごみだけがバケツのフィルターでろ過された後、水だけをバケツの底に繋がれた管から、ポンプを用いて吸い出すというものである。吸い出された水は海に返される。ポンプを使用するために電力は必要であるが、それ以外に特に必要なものはない。
BANNING PLASTICS IS NOT GOING TO HAPPEN. click here: https://t.co/HFOUl2r40h pic.twitter.com/euergbaXz8
— Seabin_project (@Seabin_project) 2016年5月11日
海に浮かべるだけでいいというのは非常にラクである。地上のようにごみを拾って歩く必要はない。しかし、考えてみると、ごみの回収までは自動で行ってくれない。人の手で回収する必要があり、少し面倒である。また、サイズも大きくなく、一度で回収できる量は多くはなさそうだ。
かくいう開発者側としてもこれはまだ完成品ではなく、あくまでプロトタイプであり、デザイン面や素材の面などで改善の余地はまだ残っているという。最終的には、電力はソーラー発電でまかない、回収したごみの素材を用いてこのシービン自体を作りたいそうだ。
現在、このシービンの開発者である彼らは「シービンプロジェクト」という名前で、シービンの開発と普及を行っている。このプロジェクトにはまだまだ資金が必要で、1ドルから寄付できる。また寄付という形でなくとも帽子やマグカップを購入して、活動を応援することも出来る。
Clean the oceans and keep the sun outta your eyes! Amazing! https://t.co/UNYZ4IgFKQ pic.twitter.com/XTvKxipWxc
— Seabin_project (@Seabin_project) 2015年12月26日
是非、海の環境汚染を止めるためにも彼らの活動を支援してみてはどうだろうか。