コロナの怖さから飛行機に乗れず…
自国へ帰れなくなり、空港で暮らすことを余儀無くされる男性を描く映画「ターミナル」。人情やドラマが溢れるこの映画のような出来事が、先日アメリカで明らかになったという。
ただし、その男性は逮捕という厳しい結末に終わったようだ。
帰れなくなっていたのは、米カリフォルニア州オレンジ郡から来ていたアディティア・シンさん(36)という男性。
昨年11月、イリノイ州シカゴにあるオヘア国際空港から飛行機に乗り帰る予定だったというが、ある理由で踏み出すことができなくなっていたという。
それは、新型コロナウイルスが怖かったから。
こうしたことから約3ヶ月もの間オヘア空港の中で生活を続け、先日1月16日、空港警備隊に逮捕されることとなった。罪状は、空港の立入禁止区域への不法侵入と、軽度の窃盗だった。
翌日曜日の法廷審問において、裁判官は罰金10万円(1000ドル)を払えば釈放される可能性が高いと明かしたが、現在空港に出入り禁止となっているという。その次の日の月曜日にも、シンさんはイリノイ州クック郡刑務所に残っていたという。
ちなみに国選弁護人によると、シンさんに前科はなかったという。また、失業者であるシンさんがなぜシカゴに来たのか、あるいは彼がこの場所に何の関連があるのかは不明であるとのこと。
公聴会においてシンさんは、ユナイテッド航空の2名のスタッフに発見され、身分証明証をとられたと明かしている。警察に拘束されると、「コロナのせいで家に帰るのが怖かった」と吐いていたほか、偽のIDバッジを使ったり、他の乗客から食べ物を分けてもらうことで生活していたと語っている。
シンさんは1月27日に改めて出廷し、裁判が行われるという。