新型コロナの影響で全米各地ではオンライン裁判が導入されているというが、その様子は州法に基づきYouTubeで一般公開される仕組みとなっている。
そんなオンライン裁判で驚きの事件が発生してしまった。
医師が手術中にオンライン裁判に出廷
2月25日、米サクラメント州では交通違反した形成外科医のスコット・グリーン医師のオンライン裁判がはじまろうとしていたのだが、画面に映る医師をみて裁判官はあることに気付いたという。
Judge: “Unless I’m mistaken, I’m seeing a defendant who’s in the middle of an operating room appearing to be actively engaged in providing services to a patient. Is that correct, Mr. Green?”
Defendant: “Yes, sir.”
Judge: “Or should I say, Dr. Green.”
— Ajit Pai (@AjitPai) February 28, 2021
裁判官「今から裁判をはじめますが準備はいいですか?」
グリーン医師「はい」
裁判官「私の見間違いじゃなければ手術中ですか?」
グリーン医師「手術中ですが準備はできています。」
なんと、グリーン医師は患者の手術中にオンライン裁判に出廷していたのだ。
裁判は延期、医師には苦情が寄せられる
当然ながら、裁判官はそれは不適切だと裁判の延期を促した。それに対し、グリーン医師は「手術には私の他にも医師が立ち会っており、必要ならば交代してもらえるので問題ありません!」と平然と答えたのである。
裁判官は「あなたが手術をしていない時に裁判は改めましょう。最も重要なのは目の前にいる患者の健康であり命です。」と言い放ち、裁判を強制終了することとなった。
この動画が公開されるや否や、カリフォルニア州医事委員会にはグリーン医師に対する多くの苦情が寄せられた。現在、グリーン医師の行動に問題があったかどうかを調査中だというが、裁判の片手間に手術を行われては、たまったものではない。裁判は3月4日にやり直しとなったようだが、今回はスケジュールをしっかりと調整して裁判に臨んだことだろう。