マイクロソフト社は6月15日(日本時間16日午前)、27年間にわたって提供されたブラウザ「Internet Explorer」(以下、IEと略す)を公式に停止した。
これを偲び、お隣韓国では故人(IE)のお墓が建立された。
韓国のとある若者は「彼の比類なき業績を偲ぶ」と題し、この写真を投稿した。
彼は長年活躍したIEを追悼するため、戦死した兵士を称えるのと同様にお墓を建てることにしたという。
場所は韓国・慶州市。とあるカフェの建物の屋上にカップルがプロポーズなどのため活用する小さな教会がある。彼はカフェのオーナーにお願いしてこの場所にIEの墓石を置かせてもらったという。
墓石にはこう書かれている。
“彼は他のブラウザをダウンロードするための良いツールだった”
IEの喪失を大きく嘆いている国のひとつが韓国で、同国はこのブラウザにまだ大きく依存しているという。
韓国では2014年まで銀行業務や公的認証などにIE(及びActiveX)を使用することが法的に義務付けられてたそうである。
この事態は日本でもあまり変わらない。IT製品情報サイト「キーマンズネット」が今年4月に発表した調査では「IEを利用している」と回答した企業は49.1%にも上っている。各社の報道やTwitterの反応を見ると、官公庁などでの利用も根強いとみられる。
しかし、IEが無慈悲に葬りさった「Netscape Navigator」と比べると、それなりに惜しまれて最後を迎えたと言えるのではないのだろうか。
そのIEもシェア的には「Chrome」や「Safari」に大きく差を付けられて幾数年。歴史は繰り返す。
この27年間で、インターネットは欠かすことの出来ない社会インフラとなった。混乱なく他のブラウザへの移行が進むことを願いたいものである。