授業中に描いた絵をネット上で発見
カナダ・ケベック州のウェストウッド中学校に勤務する美術教師が、自分の利益のために生徒の作品を無断で個人のサイトで販売したとして保護者らに訴えられている。
事件の発覚は偶然だった。
ある日、生徒の一人がGoogleで自分の名前を検索したところ、美術の授業で描いた絵がウェブサイトで販売されているのを発見したのである。その噂はすぐに学校中に広まり、やがて他の生徒らからも自分の作品がネット上で無断で販売されていることについて報告が寄せられたという。
その後、一部の保護者は学校側に回答を求めたが、回答が得られなかったため、知的財産の窃盗の疑いによる35万ドル(約5,200万円)の精神的損害賠償と懲罰的損害賠償、教師からの正式な謝罪、ウェブサイトからの作品の削除を求める手紙を送った。
美術教師が生徒の作品を販売していた
生徒の作品は、Tシャツやコーヒーカップ、携帯ケースなど複数の商品となり、ウェブサイトで30ドル(約4,500円)から151ドル(約22,700円)で販売されていたようだ。作品には「ローガンの不気味な肖像画」や「ジュリアの不気味な肖像画」など、生徒のファーストネームまで使用されていたというのだから悪質としか言いようがない。
このニュースはアメリカ、イギリス、そしてオーストラリアでもトップニュースとなった。そして、この美術教師はフェイスブックとリンクトインのアカウントを無効にし、個人ウェブサイトから生徒たちの絵を削除したという。事件が発覚する前は、90点以上の生徒の絵がウェブサイトに掲載されていたというが、この件に関して教師はまだ声明を発表していない。
「これは犯罪だ、教師は解雇されるべき」「このところ変な先生増えてるな」「売上金は生徒にあげたの?それとも自分で使った?」などと批判の声が多く上がっているが、学校はこの件について調査を開始し、「状況を認識しており、これらの申し立てを非常に深刻に受け止めている」と述べた。