紙でできたリサイクル可能な折りたたみ式ヘルメット「EcoHelmet」
掃除機で有名なダイソンが主催する、第11回ジェームズダイソンアワード2016国際最優秀賞受賞作品が決定した。世界22カ国から963作品の中より選出されたのは、アメリカ人デザイナー、アイシス・シファー(isis shiffer)さんのEcoHelmet。
シファーさんがヘルメットを作ろうと思ったキッカケは、世界的なバイクシェア(レンタル自転車)の普及だ。
これだけバイクシェアをする人多いのに、ヘルメットを着用する人が少なすぎる。ヘルメットの着用でケガや死亡の可能性を85%減らすことができることを知った彼女はヘルメットの製作に取りかかった。
雨にも耐えうる紙製ヘルメット
そして完成したのがEcoHelmetだ。
これまでのポリエチレン製のヘルメットと同様の衝撃分散効果があるように設計されたハニカム構造のヘルメット。1970年代の革製のヘルメットをモチーフに、組立の必要がなく自然と頭のサイズに合うデザインなっている。
紙製ヘルメットと聞いて雨が降ってきた場合の心配をした人もいるかもしれない。でも心配ご無用。生分解性のコーティングを施しているので、最大3時間の雨にも耐えることができるのだ。
そしてなにより、彼女が求めたのは、広く普及させるために価格を抑えるという事。基本的にバイクシェア(レンタル自転車)を想定しているので、バイクを借りる際に高価なヘルメットでは着用する人が少ないと考えられるからだ。
その結果、材料コスト製造コストを下げ、1個あたり5ドル程度での販売を見込めるまでにしたのだ。自転車利用者の安全のために、ここまでできるってホントすごい。
今後は商品化のために販売認可の取得と、永続的にカスタマイズできるモデルにするために開発を進めているそうだ。是非とも世界中のバイクシェアの場で彼女のEcoHelmetが活躍する日が来てほしいものだ。