スマホ、もう疲れちゃったって人に。
いまやスマートフォンは、便利であることを通り越して、「ないと困るもの」になってしまっている。
スマホはたしかに便利である。友達と連絡を取れて、分からない事は何でも調べられて、友達や彼女までスマホを使ってつくれるくらいだ。
でも、ふとたまに思う。「もしスマホがなかったら、、?」
そう考えたときに、初めてスマホに依存していた事に気がつくのだ。同じように考えた人物がいる。ジョー・ホリアーさんとカイウェイ・タンさんだ。彼らは、極限までシンプルな設計の携帯電話「Light Phone」をつくり出した。
彼らはLight Phoneのことを「スマートフォンを忘れるための携帯電話」と表現する。
できるだけ使わないために
スマホを通じて世界中の人と繋がれる今だからこそ、彼らは自分自身と向き合い、過剰な繋がりから“オフになる時間”が必要だと感じたそうだ。
Light Phoneは電話機能のみであり、サイズも小さく、画面表示は現在時刻と番号だけと、実にシンプル。
残念ながら、通信の都合で日本では使用できないのだが、「使用しないための携帯電話」の魅力に惹きつけられている人は世界中にたくさんいるようだ。
そういえば、あのころって
自分がまだスマホを持っていなかったころ。
特別なおでかけのときは、必ずフィルムカメラを持っていった。撮れる枚数も限られていたから、むやみに写真を撮ることもなくて、本当にカメラに収めておきたい瞬間だけシャッターを切った。
音楽は移動の暇つぶしじゃなくて、音楽そのものを楽しむために聴いていた。
ラインで簡単にやりとり、なんてできなかったから、待ち合わせの時間と場所をきっちり守った。
スマホが便利で当たり前になってしまったけれど、こんな時代を懐かしく思う人は少なくないようだ。
“あえて”古いものを使う「写ルンです」ブーム
いま、若者の間で人気が再燃しているものがある。通称”インスタントカメラ”として30年前大人気だった、「写ルンです」だ。
“枚数が限られているからこそ思い出に残る写真がとれるんじゃない?”
“そもそも写真って、綺麗すぎるより、ちょっとレトロで味があるほうがいいよね”
こんな風に思う若者が増え、「写ルンです」ファンが再び増えてきている。
これらは #写ルンです でinstagramに投稿された写真たち。たしかにスマホで撮る写真とは一味違ってレトロな雰囲気である。
レコードも同じだ。ここ数年で驚くほど売り上げが伸びている。
レコードなんて、盤面や針の掃除をしなきゃいけなくて扱いが面倒なのに、どうして? と思うかもしれないが、それが、いいのだ。
これから音楽を聴くんだ、という気持ちで準備をして聴く音は、CDやスマホで聴く音とはまったく別物なんだとか。
スマホ時代の”今”だからこそ
面倒であまり便利とはいえないものを”あえて”使うということは、スマホによって簡単にされてきたものを大切にしたいという想いがあるからなのだろう。
もちろん便利であることは素晴らしい事なのだが、当たり前だと思っているものから少し距離を置いてみれば、気分転換になったり、何か新しい発見があるのかもしれない。
なにより、面倒だと言いながらも楽しんでやっていた、あの頃の気持ちを忘れないでいたいものだ。