くしゃみを抑えると喉を傷めるらしい!
卒業式、お葬式、コンサート中などの、緊迫し静まりかえった環境のもと、「・・・・むむ・・・は、鼻がムズムズしてきたッ・・・クソッ・・・こんな時に・・・ッ!」となったことがある人はいらっしゃるだろうか。
静かな中での大きなくしゃみを出すのは周りのご迷惑になるし、公共の場でオナラが出そうな時と同じくらいの大ピンチと言えるだろう。気を抜いた丁度その瞬間に出てしまいそうな危うさがあり、音量といい、不安定さといい、まさに鼻に高感度の爆弾が搭載されたようなものである。
そういった時、くしゃみの爆発力を抑えようと口を閉じて鼻をつまんでくしゃみをする人は多いに違いない。
インフルエンザや風邪が流行っている今、「飛沫を出させまい」という気持ちは大いにわかる。だが先日、その行為が非常に危険であることが明らかになったのだ。
イギリスの男性がくしゃみを我慢し喉の後部を負傷
▲ビャックショーイ!のイメージ。くしゃみの飛沫はこんなに飛ぶ!!
2017年の暮れ、イギリスのレスターにある病院に、首の腫れと激痛を訴える34歳の男性が受診しにきた。患者は少し前から、食べ物を飲み込むときに激しい痛みを催しており、声がおかしくなっていたらしい。
担当医師が調べると、くしゃみを無理に抑えたため、行き場のなくなった空気が首へ行き、喉が破裂して裂けていたことが発覚。
英医学誌BMJに掲載された症例報告には、「この男性は他人の前でくしゃみをするのは非常に汚いことであると考えており、いつも我慢していた。少なくとも30年あまりの間、くしゃみをこらえていた可能性がある・・・」との見解が報告されていた。
幸い手術に至る程の大きな裂傷ではなかったようで、抗生物質を投与し7日間の治療を経た後、退院することができたという。幸い、後遺症が残ることはなかった。
同医師によれば、くしゃみを無理に我慢したことで、他にも両肺の間に空気が入り込んだケースや、脳動脈瘤が破裂してしまったケースもあるのだという。これにより、医師らはくしゃみの我慢は避けるべきであると注意喚起をしているという。
でもマナーとしてくしゃみは抑えたい
▲小鼻の横を5回ほど押すと効果的
ここまで、くしゃみをしないとむしろ危ない・・・というニュースを書いてみたが、それでもマナーとして人前で大きなくしゃみをするのは控えたいところ。
そこで、くしゃみを穏便にひっこめるためのアイデアを拾い集めてみた。ピンチの時のために、心のスミに置いておいてもらえれば何よりである。あくまで効果には個人差があります。
①鼻の下を指で強く押さえる。
②小鼻の横のへこんだ部分に「迎香」というツボがあるので、5回ほどゆっくり押す。
③鼻から思いっきり息を吸い込んでみる。
④舌で口の中の上(上あご)を押す。
以上の対処法はくれぐれも一時的なもの。鼻はウイルスを防ぐフィルターの役割を担っているので、出せる場所であればくしゃみはしてしまったほうがいいだろう。もちろん、マスクの着用もお忘れなく!