14億という世界一の人口を誇り、そのマンパワーを駆使して新しい国へと生まれ変わろうとしている中国。
そんな中国で、4年前に死んだ両親から子供が生まれたというトンデモな出来事が起こったのだという。
一体どういうことなのだろうか?
交通事故死した両親から生まれた子供
シェン・ジエとリュウ・シー夫婦は、4年前に交通事故で帰らぬ人となってしまった。しかし彼らは不妊治療を行っていたため、病院に受精卵を保存していたのだ。
そこで立ち上がったのが、夫婦の両親、つまり祖父母だ。どうしても孫の顔が見たかった祖父母は、病院に保存してある受精卵を巡って訴訟を起こした。3年にも及ぶ裁判の末、祖父母は2017年1月にようやく受精卵を手にすることが出来たのだ。
しかし更に苦難は続く。中国では代理出産は禁じられているのだ。そこで祖父母は非公認の代理店を通じ、ラオス人女性を代理母として選んだ。そして2017年12月、ようやく待望の孫を抱くことができたのだ。
写真はイメージです
生まれてきた子供は、中国語で「かわいい」を意味する「ティエンティエン」と名付けられた。
それにしても、生まれたときから両親がいないことをどうやって説明するつもりなのだろう。祖父母らによると、真実は大きくなるまで伏せておき、しばらくは「両親は海外にいる」ということにするのだという。
倫理上の問題はないのか?
新しい命の誕生、それは言うまでもなく素晴らしいことである。
しかし死んだ両親から生まれたという事実を知った時、ティエンティエンはどう思うだろう。個人的には、今回のケースは「孫の顔が見たい」「自分の血を絶やしたくない」祖父母のエゴのように感じてしまい、ティエンティエンが気の毒に思える。
だが、それではどこで線引をするのか?不妊治療によって生まれた子供も「親のエゴ」なのか?それは違うというなら、ティエンティエンのケースと一体どう違うのか?
ティエンティエンと祖父母は一生をかけて、この答えの出ない問いかけを続けていくのだろうか。
参照元:ニューヨーク・タイムズ