交尾。
「子孫繁栄」という本能に基づく、動物の重要な行為のひとつである。
しかし交尾のし過ぎが原因で絶滅危惧種になってしまった有袋類がいるというのだ!
子孫を残そうとして絶滅の危機に瀕してしまうとは・・・完全に本末転倒である。
その絶滅危惧種の名前は「アンテキヌス」。
あまり聞かない名前だが…どんな生き物なのだろうか。
アンテキヌスとは?
アンテキヌスとはネズミによく似た有袋類で、オーストラリアやニューギニア島などに生息している。アンテキヌスはおよそ12種ほどいるが、絶滅の可能性があるのは「ブラック・テイル・ダスキー・アンテキヌス(black-tailed dusky antechinus)」と「シルバー・ヘッド・アンテキヌス(silver-headed antechinus)」の2種だ。
41 Aussie species have been added to the #ThreatenedSpecies list, including the extraordinary Silver-Headed #Antechinus – best known for its deadly breeding habits. Hopefully this recognition will help to reverse their decline!https://t.co/o6Rxq8YkIm @TSCommissioner @TSR_Hub pic.twitter.com/72PJX3QbCT
— Remember The Wild (@RTW_Aus) 2018年5月17日
オーストラリアに生息する彼らは5/15、絶滅危惧種リストに載ってしまったのである。
性豪すぎるアンテキヌスの生き様
アンテキヌスのオスは1歳になる前の冬のわずか2週間に、死に物狂いで交尾の相手を探す。交尾は一度では飽き足らず、次々に相手を変えて行われるため、交尾疲れでボロ雑巾のようになってしまうのだという。
しかも当然、交尾は一筋縄ではいかない。ライバルの邪魔が入ったり、メスを押さえつけなければならなかったり…。それらのストレスによってストレスホルモンが過剰に分泌され、臓器を破壊してしまうのだ。内蔵から破壊って…コワすぎる。
研究者いわく「体中から出血して毛が抜け落ちてもまだ、交尾相手を求めてさまよう」というのだから、もはやホラー映画状態である。否、下手なゾンビ映画よりよっぽど怖い。
メスは大半が一生に一度しか出産せず、一度に6~14匹の赤ちゃんを生む。一方でオスは一歳の誕生日を迎えるまえにセックス疲れ死するのだという。まさに壮絶な人生だ。
・・・・・・・・・・・・・・・
現在は世界中でわずか250匹程度しかいないとされる、アンテキヌスの2種。これは数十年前のわずか10分の1であるという。
そうなった原因の一つは彼らの交尾にあるのかもしれない。しかしこの短期間でこれだけ激減していることを考えると、個人的には人間も悪影響を及ぼしているのではないかと思える。
性豪ネズミが子々孫々に語り継がれるよう、地球は人間だけのものではないことを改めて認識する必要があるのではないだろうか。
参照元:ザ・ストレーツ・タイムズ、Twitter