美しいNYの夜景をバックにし、ショーウィンドウに持たれかけてニヒルに微笑む男性…。
実にセクシーな彼の名はマーク・レイ、俳優だ。現在はモデルやカメラマンとしても活躍している。
と一見、普通の成功者にしか見えない彼だが、実は大きな秘密を抱えていた。
マークはホームレスなのだ。
ホームレス・モデルの生活
「ちょっとハメを外して家賃滞納して、一時的に追い出されただけでしょ?」と思う人もいるかもしれない。しかしマークは6年間も、とあるマンションの屋上で寝泊まりしていたのだ。
全財産はスポーツクラブの個人ロッカーに入るぶんだけ。決して衛生的とは言えない公衆トイレの手洗い場で髪を洗い、丁寧に髭を剃る。その姿はまさに正真正銘のホームレスだ。
たまに入る俳優の仕事や、ファッションショーの写真を撮影し雑誌に売り込むカメラマン業で、日々の糧を得ている。
そうやって稼いだ僅かな金は、ほぼ食費に消えてしまうのだという。
ヴォーグ誌にも載ったすごいモデル
1959年にニュージャージー州に生まれたマークは数々の職を経たあと、ヨーロッパでモデルとして活躍した。
しかしモデル業で稼げる額はわずか。紆余曲折を経てニューヨークへ戻ってきたが、家賃が高すぎるニューヨークでの生活は厳しく、路上生活を余儀なくされたのだ。
彼の生活は『ホームレス ニューヨークと寝た男』というタイトルでドキュメント映画化された。
住まいを捨てるという究極の選択をして夢を追い続け、苦悩と希望の間で葛藤する中年男性の姿は、多くの人の共感を呼んだ。
ニューヨークの魔力に魅せられた男
九州の片田舎から一歩も出たことない私(高勢)からすれば、彼の考えを理解することはとても難しい。正直言って、ちょっと田舎に行けばいい仕事も住まいも手に入るだろうに…としか思えない。
しかしニューヨークには、ある種の人を捕らえて離さない強烈な魔力があるのだろう。
そして強い光が当たれば当たるほど、その影は濃くなるものなのだ。
参照元:Instagram