長崎の「潜伏キリシタン」が世界遺産に認定、その審議の様子が世界中からの優しさであふれていると話題に!

カルチャー

「潜伏キリシタンの文化」が世界遺産に登録決定

6月24日よりバーレーンで開催されている第42回世界遺産委員会。今回、日本の推薦物件のうち、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録が決定した。

登録決定のニュースを受け、長崎市観光推進課は喜びのツイートを発信。さらに会議での審議の様子を語った。

最後の微笑ましいツイートには大量のリツイートがつき、「世界一平和な会議」「優しい世界」とのポジティブなコメントが寄せられていた。

「潜伏キリシタン」の遺産としての価値

九州の西の方、長崎と熊本・天草地方に存在する今回の遺産。迫害されたキリシタンたちがひっそりと、キリスト教への信仰体勢を築いていった、神聖な地域である。

大野教会堂。大野地区の信徒のためにマルク・マリー・ド・ロ神父が建てた小さな教会。

日本で初めてキリスト教が布教されたのは戦国時代のこと。イエズス会のフランシスコ・ザビエルが、日本に訪れた最初の宣教師であると言われている。

しかし江戸時代になると、信仰が幕府による支配の妨げになると危惧し、江戸幕府が禁教令を発令。すべての教会は破壊され、宣教師は国外へ追放された。

鎖国が確立され、キリシタンの摘発が厳しくなってもなお、「潜伏」しながら信仰を続けた長崎と天草地方のキリシタンたち。世を忍びながら、独自の方法で信仰を実践する方法を模索していった。

潜伏キリシタンが偽装棄教のために祀った三界万霊碑と石仏。

舟森集落跡。急斜面が海に迫る険しい地形であったが、一目につかず、信仰を守り通すには絶好の場所であった。

西洋の教会のように豪華で手のかかったものではなく、素朴で目立たない宗教遺跡。しかし、今回の世界遺産委員会では、その遺産としての価値が世界中から認められたのである。

見学にはマナーの遵守が必要

長崎市観光推進課は、喜びのツイートとともに以下のような注意喚起も行っている。

独特の宗教的伝統を感じる事ができる「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。今年の夏、注目の観光スポットとなりそうだ。

参照元:長崎県世界遺産登録推進課Twitter

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yamada

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