【カッコイイ…】ホロコーストを生き残った96歳のデスメタルおばあちゃんが爆誕!

アート

迫害、スパイ活動、作曲家…激動の人生をメタルに乗せて

第二次世界大戦中に起きたナチスドイツによるユダヤ人迫害は今でも伝えられているが、被害者たちの高齢化に伴い、その記憶の生々しさは薄れつつある。

そのホロコーストの恐ろしさを、別の形で伝えようとする96歳女性がいる。それも、激しいデスメタルの旋律に乗せてだ。

コチラのデスメタルおばあちゃんの名前は、インゲ・ギンスバーグさん。

彼女はオーストリアの裕福なユダヤ人一家の元に生を受け、第二次世界大戦初期にスウェーデンに迫害を逃れて移住。

複数の収容所を転々とした後に、アメリカの中央情報局からスパイ活動の要請を受け、ドイツ軍の偵察も行っていたという。また、終戦を6週間早めたという「日の出作戦(オペレーション・サンライズ)」という作戦にも参加していたともいわれている。

その後、1人目の夫のピアニストと結婚し、スイス・チューリヒに移って音楽の世界に飛び込んだ。

▲若いころのギンスバーグさん

1949年に作曲家としてのキャリアをスタートさせると、スイスの著名なスターに楽曲を提供するようになっていったという。

しかし老年にはいると、手掛けた楽曲の人気は落ち、引退の危機に迫られたという。

その時の彼女は、「人生はまさに孤独の国でした。両親も親戚も全員亡くなり、友人もいなくなりました。私のいう事なんて誰一人気にかけてくれませんでした。」と当時の事を語っている。

そんな中、ペドロ・デ・シヴァというアーティストの作詞を手掛けているとき、メンバーの一人がこういったのだ。

「まるでデスメタルの歌詞のようだ。」

その内容はというと、血と死をイメージした凄惨なものだったそう。それがデスメタルとの思わぬ親和性を生み、ギンスバーグさんは激しいメロディに乗せて歌う事となったのである。

こうして結成されたザ・トリトンキングスは、アメリカの人気オーディション番組「アメリカズ・ゴッド・タレント」をきっかけに多くのファンを集め、いまや”デスメタルおばあちゃん”として大きな人気を誇っている。

その後の地元メディアのインタビューで、作詞の意図をこの様に話している。

私のすべての曲にメッセージが込めてあります。まず一つは、”取り替えられないものを壊すな“。2つ目は”死には抗えない、だから死を笑え“。
いつも私は笑っているわ。貧乏から金持ちになったことに笑い、ホロコーストから生き残ってきた私の道を笑っているわ。

彼女のインタビューに込められている意味は分厚く感じられる。戦争を体験した感覚を、現代の感覚で伝えていく試みはとても興味深い。

 

参照元:Wikipedia、Youtube [1][2]

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