シャーマンの薬はロシアじゃ違法薬物だった
海外で軽い気持ちで人にもらったものが、帰国した時に空港で「これ、違法薬物ですよ」と言われるなんてことは少なくないようだ。
ロシア、スヴェルドロフスク州出身の、マキシム・ガートさんという男性がペルーにいったところ、現地で出会ったシャーマンに小さな瓶に入った飲み物をもらったという。2つ手に入れたというが、何も考えずにお土産としてロシアに持って帰ったという。
すると、彼は空港の保安検査場でひっかかってしまい、飲み物が幻覚作用をもたらす植物”アヤワスカ“のお茶であることが発覚したのである。
ガートさんは「違法だと知らなかった」と容疑を否認していたが、恐ろしいことに、そのまま11年6ヶ月の懲役刑に科されてしまったのである。
アヤワスカとは、南米ペルーのアマゾンに自生するツル状の植物。現地ではシャーマン(呪術師)と呼ばれる人々が儀式に使用しており、国からは文化遺産として認定されている。
DMTといった幻覚作用をもたらす成分を含んでいるため、ロシアでは禁止薬物に指定されている。
今回捕まってしまったガートさんは、ペルーに仕事で滞在していた。彼が現地でアヤワスカを試したかはわかっていないが、ロシアで飲むために2瓶貰って持ち帰ったとのこと。販売の目的はなかった。
ガートさんの弁護士は取材に対し、「彼は、これが自然療法に使われる薬以外の何物でもないと思っていました。ペルーでは自由に買って飲める、自然の宝ですよ。彼は違法であるとは知らず、バッグに軽い気持ちで入れてしまったのです。」と話している。
実はこの問題は今回が初めてではない。以前にも、ブラジル出身のシャーマンが6つのアヤワスカの茶をロシアに持ち込み、懲役3年を言い渡されていた。ガートさんが3倍以上の刑が科されたのは、使い方を知らないために、乱用する恐れがあるからだったという。
薬物を持ち込んだとはいえ、ガートさんに科された刑は重すぎるかもしれない。
参照元:1tv.ru