絵文字民主化の瞬間
先日アップルが発表した新OS用の絵文字が話題になっている。図らずも注目を浴びているのは「ベーグル」の絵文字である。
ベーグルは、もちっとした食感が特徴のドーナツ状のパンで、欧米では一般的な食品。クリームチーズを塗ったり、間にハムや野菜をはさんだりして食べるものである。
しかし、アップルが発表したベーグルの絵文字は、クリームチーズも何も塗られていないプレーンなもの。これに意義を呈したのが、大手クリームチーズメーカーの「フィラデルフィア」である。
The new #bagelemoji is a #sadbagel. Sign the petition and help us change this travesty with a schmear of cream cheese. https://t.co/371JXvS5yW pic.twitter.com/oXlt6zkyET
— PHILADELPHIA (@LoveMyPhilly) 2018年10月5日
新しいアップルのベーグル絵文字は「サッドベーグル(悲しいベーグル)」でしょう。ちゃんとクリームチーズが塗られたものに変えよう。
画像の左がアップルの作ったベーグル絵文字、右がフィラデルフィアが(勝手に)作った「クリームチーズ付き絵文字」である。
さらにフィラデルフィアは、「Change.org」というWEBサービスを使ってキャンペーンを作成。賛同者を募ったところ、1000以上の賛同が得られる結果となった。
いやいや、そんなことしても一度決まったものは変えられないでしょ。と思いきや、なんとアップルは、本当にベーグル絵文字を「クリームチーズ付き」のおいしそうな図柄に変更してしまった。
Apple fixes its new bagel emoji with cream cheese and a doughier consistency https://t.co/KbRqaw05SK pic.twitter.com/biy1PpwC8l
— The Verge (@verge) 2018年10月15日
これを受けて、フィラデルフィアも「ハッピーベーグル」とハッシュタグを付けて喜びの声をツイート。
Hooray! Bagel lovers everywhere united and convinced @Apple to turn the plain #SadBagel into a delicious #HappyBagel and we are celebrating. #ItMustBeThePhilly
— PHILADELPHIA (@LoveMyPhilly) 2018年10月16日
少し前には、マイクロソフトが「リアルな銃」の絵文字を「おもちゃの銃」に変更したりしている。メールでのコミュニケーションがメインとなった現代社会では、絵文字も重要な情報伝達手段のひとつ。こだわって然るべきなのかもしれない。