クマにされた「ドローンハラスメント」とは
ドローンの開発によって、野生動物の様々な姿を撮影できるようになった昨今。先日も、新しくクマの親子の姿が撮影されネットで話題になっているが、なにやらその動画が炎上しつつある模様。
コチラが問題となっている動画である。
この映像は、今年の7月19日にロシア・マガダン州で撮影されたもの。雪が積もる切り立った斜面を、母グマと子グマが移動している様子が映っている。
愛らしい小さな子グマが何度も足を滑らせて落ちていくも、諦めずに懸命に登っていく。ついつい応援したくなる光景である。
しかし1分15秒ごろ、もう少しで子グマが登りきろうかというところで、ドローンが急激に接近し、母グマが豹変する。ドローンが子グマを襲うと考えたのか、わざと手を振り払い、子グマを斜面の下にずり落としたのである。
最終的に登りきれたものの、再び急接近するドローンから親子は駆け足で逃げていく。母グマがカメラの方向を見ている点から、ドローンを恐れていることは明らかだ。
この動画が有名になるきっかけとなったのは、世界自然保護基金(WWE)のスタッフのツイート。17万リツイートもされたというが、「クマはドローンを怖がっている。」「ドローンハラスメントだ」といった怒りの声が集中したという。
やがてこのツイートがきっかけとなり、「写真撮影や動画撮影、自撮りによって野生動物の生活を侵害すべきではない」といった議論も過熱し、これには多くの人が賛同していた。
米メディア”ナショナルジオグラフィック”によると、野生動物を撮影するには「適切な距離を保ち、テリトリーを乱さないこと」「時間をかけること」という鉄則があるという。
野生動物を見つめる時には、敬意を決して忘れてはならない。例えドローンで撮影しようとも、彼らの領域を乱すことは許されないのだ。
参照元:Youtube、IFLscience!