先日、中国のバスで寝過ごした乗客が、運転手に停車するよう暴行をはたらいたことから、バスが橋から転落するという大惨事が起きたのは記憶に新しいだろう。
渋滞や天候による遅延などバスの運行に身勝手な言い分を押し付ける乗客も多い世の中だが、南米ブラジルからは心あたたまるニュースが届いた。
バス運転手が高速道路で急停車した理由
ブラジルの大都市リオデジャネイロでバス運転手として働くシルヴィオ・ゴメスさん。この日もいつもと同じように、多くの車が行き交う高速道路を運転していたという。
乗客を乗せて高速道路を走っていたバスだが、突如シルヴィオさんは道路脇にバスを寄せ急停車したのである。
そして、バスを降りたシルヴィオさんに当然ながら乗客たちは「どうしたんだ?」とざわついたようだ。しかし次の瞬間、フロントガラスから前方をみるとそこにはこんな光景があったのである。
シルヴィオさんの運転するバスから見えたのは、高速道路の真ん中でウロウロしているワンコの姿だった。
ラッシュアワーになると車の行き来が激しくなるこの高速道路に放置したままだと、ワンコの身に何が起きるか容易に想定できたというシルヴィオさんは、迷うことなくバスを急停車させ、ワンコの安全を確保するためにバスへ乗車させたのだ。
家と家族に恵まれたワンコ
野良犬だとみられるそのワンコを獣医のもとへ連れていき、健康状態をチェックしてもらったシルヴィオさんに情が移ったのは言うまでもないだろう。
当初、奥さんからはワンコを飼うことを反対されたというが、その2日後にはシルヴィオさんの熱い思いに根負けした奥さんからワンコを飼う許可をもらえたようだ。
この動画は約1か月間で235万回以上も再生され、シルヴィオさんの行動はもちろんのことながら、この情景を温かく見守った乗客の姿も多くの反響をよんだ。この動画に映る乗客のように皆が心に余裕を持つことができれば、世界は変わってゆくに違いない。
参照元:Facebook