ひとつのチェックミスが大ごとに
アメリカの国土安全保障省は、2008年よりテロ対策の一環として「エスタ」という電子渡航認証システムを導入している。
そのチェック事項の一つに、「テロ行為をしたことがあるか」という質問にYes、Noで答える項目がある。
普通の人なら絶対に「No」と答えることだろう。だが、今回紹介するイギリス在住の男性は・・・なんと間違えて「Yes」にチェックをしてしまったのである!
ここから、楽しみにしていた旅行は大きな騒動に発展してしまったのだ。
騒ぎの中心となってしまったのは、スコットランドのインヴァークライドにお住いのジョン・スティーブンソンさん(70)。
彼はこの度、かねてから愛していたニューヨークの摩天楼を見に行こうと、アメリカ旅行を計画したという。
これはスティーブンソンさんの70歳の誕生日のお祝いとして提案され、「生涯最後の旅行となるかもしれない」という理由から、期待に胸を膨らませていたそう。
こうして、英ユナイテッド航空から約28万円(2000ポンド)をかけて航空券やホテルを手配。しかし、エスタのビザ申請フォームにて、スティーブンソンさんはとんでもないミスをしてしまった。
なんと、「テロ行為やスパイ行為、破壊活動もしくは大量虐殺に関わったことがあるか?」という質問部分で、Yesにチェックしてしまったからだ。
言うまでもなく、男性は速攻で入国拒否を食らい、テロリストとしてマークされることとなってしまったのである。
慌ててミスを取り消そうと、アメリカの入国管理局に電話をしたり必死になったものの、スタッフからは「いや、アナタはテロリストですから」と突っぱねられてしまったとのこと。
スティーブンソンさんは、英メディア”Express”の取材に対しこの様に答えている。
「私は70歳で、質問の意味もよくわかっていなかったんです・・・と伝えました。
申請フォームに入力しているときも、回答欄にチェックを入れる前にタイムアウトになってパソコンが動かなくなったりしていました。
そのせいで、Noにしているつもりが、Yesと答えてしまったのでしょう。大変なミスをしてしまいました。
私は犯罪をしたことなんかありませんし、裁判所にも陪審員としてしか出たことはありません。
人生でこんな問題なんか起こしたことはないのに、完全に犯罪者扱いされてしまいました・・・。」
そんな中、予約を受けたユナイテッド航空は、この問題を聞きつけて手を差し伸べた。なんと12月6日、フライト代を全額返金したうえで、ニューヨーク行の無料航空券をプレゼントしたのである!
これにはスティーブンソンさんも「春が玄関先に来たみたい!」と喜びを見せていた。
なお、ビザについてはオンラインで再申請し、認証されたら11300円(100ドル)で米国大使館の面接を受けなければならないという。まだ結果に関しては明らかになっていないが、テロリストではないと証明できることを祈るばかりである。
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パソコンの調子が悪くロクに申請ができない・・・という部分は、筆者も共感してしまう。ましてやパソコンに詳しくないお年寄りなら、もっと困ってしまうことだろう。
とはいえ、「テロリストですか?」という質問があっても、本物のテロリストがバカ正直に答えるかどうか疑問である。質問自体が役に立っていない気がするのは筆者だけではないだろう。
参照元:Facebook、Indepenedent