エコエネルギーが死亡の原因?
大きな風車で風をつかまえ発電をする風力発電は、環境に優しい発電方法であるというイメージがある。しかし、フランスのブルターニュ地方のとある牧場では、この風力発電が原因で大きな問題がおきているらしい。
それは、飼育している牛の怪死。
近隣に風力発電所が設置されて以来、ここ5年で120匹も不審死しているといい、経営者は頭を抱えているという。
この事件を訴えているのは、ブルターニュ地方コート・ダムールで牧場を経営する、パトリック・ル・ネシェ氏。
ネシェ氏は数年前、突如ここの牛がやせ細り次々と倒れていったことに気づいた。それだけではなく、不妊や牛乳の質の低下、感染症などの問題も現れ始めたという。
牛たちを調べても病気の兆候はみられず、死因は不明。そこから牛の死亡時期などの情報をとったところ、牛たちの怪死は、近隣に風力発電所と太陽光発電所が設置された時から始まったことがわかったという。
その後、ネシェ氏は独自に、近隣の水や土壌の調査を開始。すると、土壌からは1ボルトの微弱な電気が検出された。これは、動物の許容範囲の3倍を超える電気量であるとネシェ氏は語る。
これに関し、地元紙”Europe1″の報道において、
「過去5年間で、牛たちの体重が急激に減り始め、すでに120匹が亡くなっています。
原因ははっきりと説明はできず、獣医師でさえもわからないといっています。
発電所の電気は土壌に放電されているようですが、動物たちはそれに耐えられず死んでしまったのでしょう。」
と、当時の様子をこのように話した。
なお、ネシェ氏の牧場から30キロ離れた別の牧場でも、すでに牛や何匹も怪死している状態で見つかっている。ここでも同様に、過去6ヶ月で37匹も怪死しており、乳牛のミルクの採取量も激減しているのだという。これを受け、発電所から離れた場所に牧場を移転する予定を立てているそう。
人間は靴のゴム底によって体への影響は軽減されているが、牛は裸足のため、地面に流れる電気がダイレクトに体に作用しているとみられる。この現象はフランス国内だけでも数件確認されているというが、問題を証明するにはさらなる検証が必要となるだろう。