亡くなった後にもみんなを笑わせたい故人の願いが実現!
日本のお葬式において、笑うことはマナー違反とされている。そして、当記事にて取り上げるアイルランドにおいても、お葬式は厳かに行われるのが一般的だ。
しかし、今回亡くなった元兵士のシェイ・ブラッドレイさんは、一風変わったある演出をしてほしいという遺言を残したという。
それは、家族や友達を笑わせることが大好きだったという、ブラッドレイさんらしいアイデアだった。
こちらの映像は、10月14日に投稿された、アイルランド・ダブリンでのお葬式の様子である。
穴の中に棺がおさめられ、最後のお見送りとなっている。伝統的なバグパイプの音が響き渡り、親族一同、会場にはしんみりとした雰囲気が漂っている。
すると、どこからか「ドンドンドン!!出してくれ〜!」という音が聞こえた。それは聞き覚えのある・・・ブラッドレイさんの声だった。
「一体どこにいるんだ!出してくれ〜。すごく暗い!この声は神父さんか?私はシェイです!箱の中に入れられてます!目の前にいるよ!死んでるよ〜!」と陽気な声が響き渡る。
これには、ついつい吹き出してしまう人もいれば、ブラッドレイさんの優しさに涙する人もいたという。
実はこちらの声は、ブラッドレイさんが一年前に録音したものだという。事前に知っていたのは、娘のアンドレアさんと、息子のジョナサンさん、いとこのベンさんだけだったそう。
ジョナサンさんたちは、葬儀の2日前にこの演出についてはじめて伝えたそう。
アンドレアさんは、米ハフィントンポストに対し「お父さんが、『お母さんが墓地を出るとき、泣いて欲しくなかった。笑ってて欲しかった』と言っていた」と語っていた。
ブラッドレイさん夫妻は、43年に渡り苦楽を共にしてきた、仲良しなご夫婦だったという。それだけあり、奥さんに寂しい思いをして欲しくないという素敵な計らいだったのだろう。
悲しいお葬式を明るくする、温かいアイデアである。家族を想う気持ちさえあれば、マナーや伝統にとらわれる必要はないのかもしれない。