世界一大きな声を持つ鳥「スズドリ」
お仕事中や勉強中突然外から、「パパーッ!」と車のクラクションが聞こえてくるとびっくりする人もいるのではないだろうか。そんなクラクションの音より、はるかに大きな声を持つ鳥がいるらしい。
その名も、スズドリ。先日、アメリカの大学研究チームがスズドリの声の録音に成功したらしい。
その映像がこちら。音量注意だ!
スズドリは、ブラジルのアマゾン流域に生息しているハトほどの大きさの鳥。オスは真っ白な羽毛で、メスはオリーブ色をしている。
だが何より特徴的なのは、メスに求愛するときに発する、つんざくような大きな鳴き声。
この音声をキャッチしたのは、アメリカ・マサチューセッツ大学アマースト校のジェフ・ポドス氏と、ブラジル国立アマゾン研究所のマリオ・コーンハフト氏からなる合同チーム。
同チームは10月21日付で発表された科学誌「カレント・バイオロジー」にて論文を公開し、その特殊な生態について発表した。
AFPの取材によると、ポドス氏一行は森の中での探索中、オスとメスが同じ木に止まり、鳴き声を上げているところを見つけたという。
最初はオスはメスに背中を向けて、一回目の声を上げた。まるでその姿はお芝居のようだったそう。しかしメスは応えなかったようで、オスは2回目をあげたというが、メスは受け入れずに飛んで行ってしまったという。
この間に観測された声量は、なんと最大113デシベルにものぼったという。これは、爆音のロックコンサートにも引けを取らない大きさである。研究チームは、なぜメスがこの音量で聴覚にダメージを負わないか疑問に思っていたという。
また、ポドス氏の発表では、メスはオスの大音量の鳴き声を喜んでいるようにも見えなかったそう。
他の鳥の場合、メスが近づくと声の音量は下がるというが、スズドリは逆に、メスが近づくと更に大きな声を上げていたという。
このように、スズドリの声量と求愛行動について研究が行われたのは初めて。今回の観察によって、スズドリは世界一大きな声を持つ鳥として認定を受けたという。