大地震の前兆?600体以上のクジラがニュージーランドの湾岸に集団座礁

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クジラの座礁は地震の前兆?

日本と季節が逆の国、ニュージーランド。われわれがさむーい冬を体感している中、ニュージーランドの人々は夏の日差しの下、大自然を堪能したりマリンスポーツを楽しんでいるだろう。是非とも、訪れたいものである。

そんなニュージーランドから、驚きの、そして少し心配になるニュースが数日前に届いた。

400体以上のクジラが集団座礁

そのニュースとは、クジラの集団が浅瀬に座礁しているというものだ。

2月10日の朝、ニュージーランド南島のゴールデン湾で、陸に打ち上げられている大量のクジラが発見された。座礁していたクジラの数は、なんと416頭もいた。

座礁してから長時間が経っていたためか、発見した時にはすでに250~300頭が死亡していたという。なんとも痛ましいニュースである。

地元では500人近くのボランティアが集まり、生きているクジラの救助に努めた。このクジラはゴンドウクジラという小型の種ではあるが、体重は2-3トンもあり、救助するのは容易ではない。それでも努力の結果、50頭ほどのクジラを海に返すことに成功したそうだ。クジラの命は危険であるし、救助することも難しいので、このようなニュースはもう見たくないものである。

一件落着!と思いきや…

と思っていた矢先の翌11日、同じ場所で200頭のクジラが再び座礁してしまった。彼らは、そんなにこの浅瀬が好きだったのだろうか…

2日目は野生動物保護スタッフの指揮もあり、先日より多くのクジラを海に返すことができたそうだ。

だが、陸に置きっぱなしのクジラの死体は、腐敗により体内にガスがたまるせいで、ガス爆発をする恐れもあるらしい。そのため、ガスを体外へ逃がすための穴を開けるなど対策をとりつつ、新たなクジラが座礁しないように監視活動を続けている。

理由は「天然のわな」?

クジラが座礁した理由は、その場所が大好きだった…というものではないようだ。

今回クジラが座礁したゴールデン湾は、迷い込んだクジラが動けなくなりやすい地形で、「クジラの天然ワナ」と呼ばれている。その浅瀬で行き場を失い、クジラたちは座礁してしまったのだろう。

だが、過去にも集団でクジラが座礁したケースはあるが、600頭ものクジラが座礁した事例は観測史上最悪規模だそう。こんなにたくさん打ちあがっていたら、前例を知っていても、とてもびっくりしそう。

クジラには、超音波を使って周囲の環境を察知する「エコーロケーション」能力が備わっている。通常であれば、この能力が働いて浅瀬に来ることはないのだそう。では、なぜ今回は集団でやってきてしまったのだろうか。

実は、エコーロケーションが働かなかったことには、地震が関係しているのではないか、という説が巷で出回っている。

地震の前後に座礁する?

専門家の間では、巨大地震の前後には、クジラのエコーロケーションの能力が弱まってしまうという説があがっている。

実際、ニュージーランドでは2016年11月、マグニチュード7.8を記録する巨大地震が発生している。

この地震のせいで、エコーロケーションの力が弱まってしまい、集団で浅瀬にはまってしまったのではないかと、見られている。

また、座礁の後巨大地震が起こるという事例も、これまでにたびたび起こっている。実は日本で起こった巨大地震、1995年の阪神淡路大震災と2011年の東日本大震災の数日前にも、クジラが集団で座礁している。

これは、地震が起こる前のほんのわずかな環境の変化に、エコーロケーションの機能が阻害されて座礁してしまう、という理屈である。んー確かに、間違ってはないように思える。「クジラが集団座礁すれば、地震が起こる」というと、まるで都市伝説のように思えてしまうが、科学的にもあながち誤ってはいないのかもしれない。

備えあれば憂いなし

昔から言い伝えのように、「地震の前にはネズミやナマズが異常行動を起こす」といわれてきたが、クジラのケースもこれに似ているのかもしれない。

どこまで科学的に解明されているかはわからないので、「クジラが座礁すれば絶対に地震が起こる」などと言うことはできない。ただ、異常な事態であることには間違いがないので、何かが起こるかもしれない、と備えをとることは賢明な策ではないだろうか。まさに、「備えあれば憂いなし」である。

参照元:Twitter[1][2][3][4]

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Haru

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