子供に何も食べさせない両親を見たスタッフは…
アメリカ・フロリダ州のレストランの従業員が、小さな違和感から子供の虐待に気づき、機転を利かせ助けたことが報じられ話題になっている。
助けたのは、フロリダ州オーランドの「ミセス・ポテト・レストラン」で働くフラビアン・カルヴァリョさんという女性。1月1日、彼女はホールにいたところ、父親・母親・男の子の3名の家族が来店してきたという。
注文を取りに行ったところ、なぜか両親が男の子に注文をすることを禁じていたことに気づいた。少年は痩せて栄養不足に見え、体はあざだらけだったという。
そこで、カルヴァリョさんは「助けはいる?」という内容のメモを書き、両親に気づかれないように彼に見せた。すると、彼が頷いたことから、彼女はマネージャーや他のスタッフと相談し、その場で警察に通報したのであった。
その後、警察が少年を保護。事情を聞くと、彼は本当に虐待を受けていたことが明らかになり、カルヴァリョさんが彼の命を救ったことがはっきりとしたのだ。
この行動に感銘を受けた店のマネージャーが、カルヴァリョさんにクラウドファンディングページを設立。報道が寄付を加速させ、目標額である100万円(1万ドル)を大幅に超え、1月16日時点で、およそ280万円(27万ドル)が集まっている。
地元メディアの取材で、今回の活躍についてカルヴァリョさんは「少年が助かったことに満足しています」と答え、こう続けていた。
「私にとって、自分のやり遂げたことは普通のことでしたので、気にもとめていませんでした。
今では少年は無事でいられるので、とても嬉しい。誰かが困っている時、人々がこのやり方を使って、一歩踏み出す勇気を持ってもらえたらと願っています。」
なおこの事件で、少年の義理の父親と母親は児童虐待など複数の罪状で起訴されている。
地元オーランド警察の発表では、少年は低体重で、腕やまぶた、耳にも打撲傷を負っていたという。他にも聴取で、少年はドアに縛り付けられたり、ほうきや手で殴られていたと語っていたという。
オーランド警察のロロン署長は、「怪我の深刻さを見ると、少年は殺される運命にあった。彼が私たちに教えてくれた虐待の記憶はとても恐ろしかった。」と結論づけている。
勇気と機転で1人の命を救ったカルヴァリョさんの行動は、やはり賞賛に値することだろう。少年に助けの手が差し伸べられて何よりである。