インドネシア女子バレー元代表が男だった
その外見から、長年のあいだ性別詐称疑惑が報じられてきたインドネシアの女子バレー元代表のアプリリア・サンティーニ・マンガナン選手(28)。
2015年、2016年、2017年にはジャカルタエレクトリックPLN女子チームを率いてチャンピオンに輝き、2019年にはジャカルタPGNポプシボポルワンチームで再びチャンピオンに返り咲いたマンガナン選手は、タイやインドネシアのチームで活躍し最優秀賞を獲得するなど注目を集めた。
と同時に、彼女のその容姿から「実は男ではないのか」という疑惑が何度も囁かれてきた。
Meski status kelaminnya telah diubah, prestasi mantan atlet voli putri Aprilia Manganang, tidak dicabut PBVSI. Begini alasannya.. #IndosiarBerita
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— Indosiar (@Indosiar) March 12, 2021
そんななか、今月9日にインドネシアのメディアが、マンガナン選手が過去28年間の女性生活を経て、このたびようやく男性であることが確認されたと報じたのだ。
女子選手として現役を引退
広い肩幅、筋肉質な体、平らな胸、目に見える口ひげなど、これまでにも世界中から疑いの眼差しを向けられてきたマンガナン選手は、2015年にシンガポールで開催された大会にて性別テストを要求されたというが、東南アジア競技大会連盟の医療委員会の反対によりテストを受けることなく大会に出場することができたという。
マンガナン選手の性別詐称疑惑は、昨年9月に引退するまでずっと続いたというが、バレー選手を引退した後は、陸軍女性軍曹として軍のキャリアをつんだ。
そして、家庭の事情でこれまできちんとした検査を受けることができなかったマンガナン選手だが、今回初めて検査を受けたことで驚きの結果が報告されることとなったのである。
生殖器系の異常で家族も本人も女性と信じる
マンガナン選手の生殖器系には尿道下裂という異常があり、陰茎の形態異常で尿の出口が陰茎の先より根元側にある病気だったという。それゆえに、女性器だと間違われ28年間女性として生きてきたのである。
今回の検査でホルモンのテストステロンも測定され、正常な男性のカテゴリーに分類されるホルモンレベルを持っていることがわかった。また、 MRIの放射線検査でも同じことが明らかになったという。
自分の性別が男だと判明した今、名前をアプリリオ・ペルカサ・マンガナンに変更し男として生きることを決めたというが、この瞬間を待ち望んでおり、自分を救ってくれた医師に感謝の意を述べているとのことだ。
自身の性別に違和感を感じていたというマンガナン選手は、スポーツ選手として活躍したがゆえに世界中から疑いの目を向けられ本当に苦しかったことだろう。今後は負い目を感じることなく、男性として新たな人生を踏み出していただきたいものだ。