昨今、東京ではあまり見かけることの少なくなった「タバコのポイ捨て」だが、かつては道路がポイ捨てタバコで埋め尽くされているような場所もあり、ひどいものであった。
2002年、東京都千代田区で路上喫煙禁止条例が制定されたのを皮切りに、全国の自治体へ条例制定の機運が広がったことが対策として大変機能したようである。
タバコのポイ捨て問題は世界共通
世界に目を移すと、やはり同様に悩んでいる自治体は多いようだ。
2月1日、英紙ガーディアンが伝えるところによると、スウェーデンの新興企業「CorvidCleaning」社が開発したごみ捨てデバイスがその救世主となるのでは?と目されているとのこと。
早速、その様子をご覧頂きたい。
・・・・。ずいぶんアナログな様子だが、理屈はこうだ。
1.野生のカラスがポイ捨てされたタバコの吸い殻を拾ってくる。
2.ごみ捨てデバイスの穴に落とすと、デバイスから少量の餌が出てくる。
3.カラスが餌を得られる。
4.1~3をカラスが学習する。
5.タバコの吸い殻が町からなくなる。
・・・。確かにカラスは賢い動物であるが、そんなにうまいこと行くものであろうか?
「CorvidCleaning」の創設者であるクリスチャン・ギュンター・ハンセン氏は、この方法により市内のタバコの吸い殻の清掃費用が75%削減される、と語っている。同国の環境保護非営利団体によると、スウェーデンの路上には毎年10億本以上のタバコの吸い殻が残されており、これは全ゴミの約62パーセントに相当するそうだ。もしも目論見どおりに行くならば、かなりの額の予算削減が見込まれる。
・・真偽のほどは定かではない話であるものの、発想の斬新さには感心する。
以前、edamame.でも、カラスを訓練して「清掃員」にしているフランスの人気テーマパークをご紹介したことがあり、基本的発想はそれと同じだ。
実現には課題が山積み
ただ、これを自治体で大規模に行うことの実現には、
・カラスの健康被害の問題
・カラスが食料をこのデバイスに依存してしまう自然保護的観点での問題
・カラスに吸い殻を拾うよう教育は出来るが、人間に吸い殻を捨てないよう教育は出来ない、悲しい現実を認めていいものかどうか、という道徳的側面
等、乗り越えてゆかねばならない事案は多そうだ。
個人的には日本方式で乗り越えてゆくことをお勧めしたい、と切に思う。
とはいえ、つまらない常識を乗り越えてゆくのがスタートアップ企業のスタートアップたる由縁である。
のるかそるか、今後を見守りたい。