2月22日、アメリカのABC7が伝えたある男の生還ニュースが話題だ。
アメリカ・カリフォルニア州の漁師スコット・シンプソン氏は夜中に大海原に転落し死に直面したが、近くの石油採掘施設まで5時間かけて泳ぎ着くことができた。なんと、その生還を助けたのは“アザラシ”だったというから驚きだ。
深夜の海に転落、生死の際に立つ
この事件は今月初めに起こった。カリフォルニア州サンタバーバラの海岸から数マイル離れた太平洋上に漁に出ているとき、スコット氏は誤ってボートから海に転落してしまった。
時は深夜、しかもTシャツに短パンという出で立ちだった。
自分を置いたまま、モーターボートが去ってゆくのを海中から見て、「もうだめだ」と思った。
泳ぎが得意でダイビングの経験もあるスコット氏でもボートに泳いで追いつくことなどできない。
月の光さえもない真っ暗な海。
陸地は遠すぎてとても泳げる距離ではない。しかし、スコット氏は近くに石油掘削基地がある事を思い出した。
家族を想う気持ちに背中を押されながら、そこを目指して泳ぎだしたという。
泳ぎ続けるんだ、家族のもとに帰らなくちゃいけないんだ!
と自分に言い聞かせながら。
サメかと思いきや・・
息も絶え絶え必死に泳いでいると、「ポチャッ」と大きな水しぶきの音がした。
スコット氏はサメか!と恐怖におののいた。
恐る恐る周囲を確認すると、中型のゼニガタアザラシが水面にチョコンと顔を出しているのが見えた。
すると、アザラシは
犬が近づいてきて足をなでるように、水中に入ってきて、私をなでたんです
スコット氏は、この行動を励ましに違いないと思ったそうだ。
まるで「この人間は困っている。このまま行けよ!頑張れ!!」とでも言われたように感じだそうだ。
この”天使のような”アザラシに励まされ、再び石油掘削基地へ向かう意欲が湧いてきたという。
この後、スコット氏はなんと5時間かけて石油掘削基地へと辿り着くことが出来た。
彼は病院にヘリで輸送され、低体温症の治療を受け事なきを得ることが出来た。
たった一人だったら諦めてしまったかもしれない生還劇。
人間が動物を助けるというニュースは、タイ海軍兵士が沈没する船から猫4匹を救出や凍った川に落ちたワンコを救助した男性等々、edamame.でも多く取り上げているが、逆のパターンはなかなか珍しい。
スコット氏もこの生還劇には天啓のようなものを感じているようで、
それが何なのかはわかりませんが、私よりも大きな力があります。今回それが私に示されたように思う。そして私は私の人生の残りの間それを疑うことは決してない。
と語っている。
生還に向けて必死で闘う人間を励ますアザラシ・・。映画にでもなりそうな話であった。