ハゲには特別年金が支給されるべきだ!と州政府へ訴え出たインドの一部男性たち

カルチャー

テランガーナ州はインド・デカン高原の一角を占める州である。古来よりデカン高原に興った多くの王朝や王国がその根拠地としてきた歴史を持っていて、乾期には温度が上昇し貧困層を中心に熱中症による死者が多く発生する苛烈な気候の地域でもある。

そのせい、という事でもあるまいが、ここのとある男性グループは『自分たちがハゲている』事を理由に、州政府に対して毎月6千ルピー(約9,600円)の年金を支給するよう求めているという。

この男性グループはシディペット地区タンガラパリ村に住む一部の男性達で構成されている。彼らの訴えはこうだ。

“我々は頭髪が密集して生えていないという恥ずかしさに苦しみ、一部の人々から嘲笑されるという精神的苦痛を受けながら生きている!”

特別年金6,000ルピーはその苦痛への対処に役立つだろう。州政府はすべての男性の頭髪問題のため、マカラ・サンクラーンティ(春の到来を告げるインドの収穫祭)の贈り物として、それまでに年金支給を発表するべきだ!

同協会のメンバーの一人、P・アンジ氏は”The Times Of India”紙の取材に対して、

「生え際が後退しているだけで笑われる。これは精神的な苦痛だ」
「ハゲるのも心配だが、頻繁にバカにされるのもつらい」「たとえ冗談でも心が痛むんです」

と切々と訴えている。

このグループは現時点では非正規組織ではあるが、50代のヴェルディ・バライア氏がこのグループの会長と目されている。彼は、

「州政府は高齢者、未亡人、身体障害者などに年金を支給しているのだから、我々の年金の嘆願は真剣に検討されるべきだ」

と訴え、今後さらに州政府に対して交渉を強めてゆくつもりだ、とその姿勢を述べている。

ちなみに、筆者も頭髪が密集して生えてはいないグループに属しているものの、その点に関してここまで苦痛に感じたことはないし、こういった要求を政府に対して行う気持ちも一切持ち合わせてはいない。
彼らの姿勢と要求内容には疑問を禁じ得ない。

しかし内容の是非はともあれ、堂々と意見を主張し対価を要求する姿勢は見習うべき所があると言えるかもしれない。ただ少し気になるのはこの訴えをしている3人の男性の表情が、生き生きと精力的で全くつらそうではないところ。とりあえずは、今後の同グループの動向に注目してゆく必要はあるだろう。

参照元:The Times Of Indiatwitter

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ひろしげ

海外渡航経験はハワイ、イギリス、ニュージーランド。大陸に憧れと恐れを抱く典型的島国の人です。趣味は大仏巡り。牛久大仏を擁する茨城県が魅力度ランキング最下位というのは納得できない。

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