中国の地下鉄で撮影されたとある映像がソーシャルメディア上で話題となっている。
それは先月18日、中国東部・江蘇省の蘇州地下鉄11号線の車内で撮影されたもので、初老の男性の地下鉄内での行動が写っている。
動画は中国版TikTok「Douyin」上で拡散され、現地ニュースサイト『蒙斑新聞』でも報じられ話題を呼び、400万回を超えて再生されているという。
早速ご覧頂きたい。
動画では、老齢の男性が地下鉄の座席の脇にいくつかの食器を置き、それを平然と食する様子が写されている。
料理は全部で4皿ある。異なる料理が入った3つのお皿と蒸し米の入った1つの茶碗を自分の席の脇に置き、平然とフルコースを堪能している模様だ。近くに他の乗客がいても彼は全く気にしないようだった。
公共交通機関でのこの“奇妙”かつ“野蛮”ともいえる行動について、中国本土のソーシャルメディアでは議論が巻き起こった。
「彼は本当に地下鉄の電車を自分のレストランにしてしまった」「他の人の気持ちを考えてください」
「地下鉄では大声で話したり、飲食したり、携帯電話のスピーカーを使ったりしてはいけないのは常識だ!」
「閉ざされた空間なのだから、自分の行動が他人に影響するのは当然のことでしょう」
とソーシャルメディア上の反応は、この男性の行動に批判的な意見が多い。
しかし、
「そもそもこの男性を撮影しビデオを共有することが適切なのか。撮影せず注意すればよいだけでは?」
「タイトなスケジュールだったのかもしれないし、長い間食事をしていなかったのかもしれない。彼の行動は文明的ではないが、私たちの社会はもっと寛容であるべきだ」
と男性に同情的な意見も散見される。中には、
「私は地下鉄に乗ったことはない。食事をしていいのか分からないけど、この映像を見て電車と同じで食べてもいいんだと思った」
という方向の違った意見も。
なお、この地下鉄運営会社の職員によると、地下鉄の車内での飲食は禁止されているそうだ。しかし、この男性が乗っていた路線は現在試験運行中で、乗車無料期間中のため、職員は車内を巡回していないという。
「違法行為を発見した場合は、カスタマーサービス・ホットラインにご連絡ください。従業員を派遣し、乗客に注意を促し、行動を止めるよう説得します」
というのが運営会社の見解である。
地下鉄での不適切な乗客の行動は中国では、しばしば話題になっているようだ。以前、当サイトedamame.でも、地下鉄で席を譲ってもらえなかった中国人女性が驚きの行動に!、という記事をご報告させて頂いている。
さらに、昨年末にはとある女性が乗客でいっぱいの地下鉄の車内で、犬のように這いつくばりその横を2人の仲間が歩く様子を撮影しパフォーマンス・アートだと訴える動画を撮っていた件が報道されている。
日本でも昔、車内での化粧は許されるか否か、と言った議論があったように記憶している。ただ、昨今の日本では以前よりさらに“公でのマナー”が厳しくなってきた。電車内で周りの迷惑となる行為をする人は(酔っ払いを除き)、以前より減ってきたように思える。
日本とは異なり、“公でのマナー”について中国ではまだまた“おおらか”すぎる部分があるようである。
参照元:nextshark.com、Youtube