看護師が98人を殺した、戦後最大の連続殺人といわれる事件がドイツで起こってしまった。
「白衣の天使」はなぜ、凶行に及んだのだろう。
白衣の天使から一転…
ドイツの看護師、ニルス・ヘーゲル受刑者は患者2人を殺した罪で投獄されていた。しかし彼が殺したのは2人だけではなかった。
A German nurse already serving a life sentence for murdering six patients has been charged with another 97 murders. He is accused of giving victims various non-prescribed drugs in an attempt to show off his resuscitation skills and fight off boredom. https://t.co/t933ym5v6D pic.twitter.com/OR7ogVRQmm
— CNN (@CNN) 2018年1月23日
2018年1月22日、ヘーゲル受刑者は90人以上を殺害していたとして新たに起訴されたのだ。
警察は詳しい捜査により、ヘーゲル受刑者がドイツ、ポーランド、トルコの3カ国にまたがって88人も殺害していたという証拠を掴んだ。
しかし残念なことに、遺体の一部は火葬されてしまい証拠が残っていない。よって、実際の犠牲者はもっと多いのではないかと推測されている。
連続殺人の動機とは?
90人以上を殺した理由、それは「退屈しのぎ」だったという。彼は患者に不当な薬を投与し、同僚に自分の「心肺蘇生テクニック」を自慢していたのだ。
怨恨でも快楽でもなく、自己承認欲求のために100人近くも殺すなんて…まさにサイコパスとしか言いようがない。
殺人看護師の足跡
ドイツの新聞によると、2000年2月に初めての殺人を犯したヘーゲル受刑者は同じ病院で35人を殺したのち、2002年には別の病院に移った。
移動先の病院ではヘーゲル受刑者が働き始めた途端に、ICUの死亡率が5%から10%へ倍増したが、ヘーゲル受刑者の凶行であることは誰も気が付かなかったのだという。
そして2005年、ヘーゲル受刑者はとうとう、患者に不必要な注射を打っていた現場を目撃される。
しかし病院の経営陣はこの事実を把握しておきながら、騒ぎが大きくなることを懸念して、警察への通報を避けたのだ。
警察は「ヘーゲルの凶行は防げた」とし、病院の対応を強く非難している。
加えて、薬物の管理体制が甘すぎるとの批判の声も、多数あがっているという。
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もし病院側が早く警察に通報していれば、「戦後最大の連続殺人」は防げたのかもしれない。
ヘーゲル受刑者がどんな罰を受けようが、亡くなった人の命は戻らないのだ。