標高5895mを誇るキリマンジャロ。登山にあまり興味がないという人でも、一度くらいはその名前を耳にしたことがあるのではないだろうか。その高さから高山病に苦しむ人も多く、登頂は決して簡単ではないという。
先日、そんなキリマンジャロの最年少登頂記録が更新された。新記録を打ち立てたのは…7歳の少女である。
わずか7歳
アメリカ・テキサス州に住む7歳のモンテーナ・ケニーちゃんは、母親であるホリーさんとともにキリマンジャロを登った。きっかけは母親が友人からを登山を勧められたことであった。
登山の話を聞いたモンテーナちゃんは、自分も行きたいと志願した。そして、キリマンジャロ挑戦への道のりが始まった。
▲モンテーナ・ケニーちゃん
トライアスロン選手だったホリーさんの指導の下、登山の訓練が数ヶ月に渡って行われた。気候に慣れるための訓練も行われた。
キリマンジャロ登頂のための訓練はそうとう厳しいはずだ。なぜモンテーナちゃんはここまで登山にこだわるのだろうか?
父親に少しでも近づくため
「いつも『お父さんは雲の上の天国にいるのよ』と娘に言っています」そう語るホリーさん。
▲モンテーナちゃんと父親
モンテーナちゃんの父親は、実は彼女が3歳のころに亡くなっている。彼女は雲の上の父親に少しでも近づきたいと考えているのだろう。
「お父さんにキスをした」
モンテーナちゃんに高山病の後遺症が残れば、今後の生活にも関わってくる。ホリーさんは登頂の計画を綿密に立てた。
そして2018年3月16日、モンテーナちゃんは見事キリマンジャロの登頂に成功。最年少記録を更新した。
彼女は海外メディアの取材でこう答えている。「お父さんにキスをしたわ。『私はここにいるよ』って知らせるためにね。」
7歳という年齢でキリマンジャロを登りきるということは簡単ではない。父親に少しでも近づきたい彼女の努力が実を結んだのだ。
現在、彼女とその母親はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療のための資金を集めるクラウドファンディングを行っている。父親がPTSDに苦しんでいたようだ。
わずか3年しかともに過ごすことができなかった父親への愛が、今回の最年少記録更新という形になった。きっと天国の父親も喜んでいるに違いない。
参照元:go fund me、Weather.com、The Austin American-Statesman、abc NEWS