ソニー・インタラクティブエンタテインメントより今年発売されたゲーム、「デトロイト ビカム ヒューマン(Detroit: Become Human)」。
Will you choose to defy your masters?
Make your choice this Friday. #DetroitBecomeHuman pic.twitter.com/ENQeIVHugo
— Detroit: Become Human (@Detroit_PS4) 2018年5月23日
2038年のアメリカを舞台にしたこの作品では、アンドロイドが警察官として活躍する様子が描かれたが、アンドロイドに犯罪捜査を任せられるかという点はゲーム内でも賛否が割れていた。
現実でも、AIに容疑者の捜索が任される日はそう遠くないかもしれない。というのも、アマゾンが開発した顔認証テクノロジーの「アマゾン・レコグニション(Amazon Rekognition)」が注目を集めているのだ。アマゾン・レコグニションを使えば、監視カメラの映像を犯罪者のデータベースと照合することも可能だという。
しかし残念なことに、アマゾン・レコグニションはアメリカ議会の28人を犯罪者と誤認したというデータが出てしまった。
この結果からはガバガバなテクノロジーに思えてしまうが…アマゾン・レコグニションは本当に信用のおけるツールなのだろうか?
監視カメラ×顔認証テクノロジー
アマゾンによると、アマゾン・レコグニションは不安全な動画の検出や感情分析、顔認識など、様々なニーズに対応でき、すでにオレゴン州とフロリダ州の法機関や警察関連企業に販売されている。
画像はイメージです
しかしこれに待ったをかけたのが、アメリカ自由人権協会(ACLU)だ。ACLUがテストを行ったところアマゾン・レコグニションは、アメリカ議会の28人を犯罪者と誤認したというのだ。
これに対しアマゾン側はツールの設定に問題があったと反論しているが、顔認証テクノロジーの危うさが改めて浮き彫りになった形だ。
AIが人種差別?
アマゾン・レコグニションの問題点は単なる誤認だけにとどまらない。
ACLUによると、誤認された人物のおよそ4割はアフリカ系アメリカ人、ラテン系といった有色人種だった。一方で、議員に占める有色人種の割合は2割ほどだ。つまり、有色人種であるというだけで誤認される可能性が高いということになる。
ACLUの弁護士であるジェイコブ・スノー氏は「アマゾン・レコグニションには欠陥と偏見が含まれており、危険だ」と述べた。
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技術が日進月歩の今日だが、残念ながら顔認証テクノロジーはまだまだ発展途上のようだ。
ゲームのようにAIに犯罪捜査を任せるには、もう少し時間がかかりそうである。