猫禁止の島のハズが・・・
ロシア・ウクライナ系の人々が住む北極圏の島、ノルウェー領スヴァールバル諸島バレンツブルク。炭鉱の町として有名なこの島は、極寒ながらも、トナカイやセイウチ、アザラシといった豊かな生態系が構築されている。
政府の公式サイトによると、生態系保全のためネコとフェレットの飼育、そして外部からの持ち込みの禁止が明言されている。
その訳はネコが嫌われているわけではなく、ネコがネズミ経由でエキノコックスや狂犬病にかかるリスクが高いから。1990年代に施行されるまではたくさんのネコがいたそうだが、禁止されて以来姿を消してしまった。
そんな中、明らかに「ニャー」と言いそうでモフモフの見た目をした狐が、島で大人気なのだという。
この明らかにネコなルックスをしているキツネの名前はケシャ。
書面上ではホッキョクギツネとして登録し特別に飼育が許可された、島でたった一匹のネコである。
この島はネコ禁止の他にも、人間の出産と死亡が禁じられていることでも有名だ。
出産の禁止は産科医がいないため、本土のきちんとした環境で出産をさせるため。そして死亡の禁止は、寒い気候のせいで島の地面に埋葬しても分解されることなく、クマといった大型獣を引き寄せる恐れがあるためだという。
上の理由からわかるように、島には様々な野生動物が生息している。ケシャは寒さに耐え忍びつつ、小動物やキツネといった他のライバルたちと日々バトルを繰り広げているのだそう。
そのせいか体には生傷が絶えず、体毛は更にふかふかになり、勇猛果敢なオーラを漂わせている。
地元のレストランの従業員が餌をあげたり、住民の女性がアパートに招いてお手入れをしたり・・・人々の手で助けられながら生きている。一日が終わる頃には、工場の片隅で眠りにつくのだそうだ。
これからも気ままながらもたくましく、人々の愛情をいっぱい受け取って暮らしてほしいものだ。
参照元:Big picture、Facebook