急増するホームレス
今、アメリカ・カリフォルニア州にはホームレスが溢れている。
大手IT企業の進出に伴い地価が上昇し、それまで住んでいた人々が家賃を払えなくなってしまい路上生活を余儀なくされているのだ。
シェルターも同様に地価上昇のあおりをうけ、閉鎖に追い込まれつつある。こうしてインフラが絶たれてしまったホームレスたちは、路上に排泄をするようになってしまったのである。
中でもサンフランシスコは、路上の排泄物が非常に増えている。これを受け、サンフランシスコ市議会は排泄物処理を専門とする”ウンコパトロールチーム“を結成。高圧洗浄機やスチームクリーナーを使用し、街の美化に取り組んでいる。
排泄物があった際には、サンフランシスコの住民向けに配信されている”SF311“というアプリから簡単に報告出来るようになっている。受信したウンコパトロールがすぐに出動し、道路や歩道をキレイにしてくれる・・・という仕組みだ。
こうした報告件数を集計した結果、2017年だけでも報告は3万件以上にのぼり、1.6キロ(1マイル)あたり平均で455.89この排泄物があったことが明らかになった。つまり、1メートルあたり2つか3つの排泄物が落ちてるということになる。
支援団体も公衆トイレを設置するなどして手を打っているが、未だに排泄物の量は減らずにいるのだそう。
地元住民からは悲鳴が上がっており、市の職員は「悲しいことに、ニューヨークやシカゴといった大都市と比べても、サンフランシスコがウンチだらけであることがわかります。住民たちは次々と市の中心地から、排泄物の心配のない郊外へ引っ越しています」と明かしている。
これを受け、市は不動産情報サイトに地域情報を公開。排泄物が多い場所が一目でわかるようになっている。
移住を予定している人や、旅行先のホテルを選ぶときには参考になるだろう。
しかし、こうした対策は根本的な解決からは程遠い。2017年までにサンフランシスコのホームレス人口は7450にのぼっており、その内およそ58%がシェルターの保護を受けれずにいるという。
ウンチパトロールよりも、もっと他にやるべきことがあるのではないか・・・と考えてしまうのは筆者だけではないだろう。