犬には人間の1億倍の嗅覚があるというが、それを改めて実証するかのような出来事が起こり、いま話題となっている。
3度も飼い主の命を救ったハスキー犬
米ウィスコンシン州に住むステファニー・ハーフェルさんが飼うメスのシベリアンハスキー”シエラ”が、彼女のがんを発見したというのである。
そして、それは1度だけではない。
ステファニーさんは、これまでに3度もシエラに命を救われたというのだ。
見事に「がんのにおい」を感知
最初にがんを発見したのは2013年。
下腹部に痛みを感じたステファニーさんは、病院で診察を受けると卵巣嚢胞だと診断されたという。薬を処方してもらい自宅に帰ると、シエラはステファニーさんの下腹部のにおいを何度も嗅いだり、クローゼットに隠れたりと落ち着きのない様子をみせた。
シエラの異様な行動を不審に思ったステファニーさんは、後日他の産婦人科でセカンドオピニオンを受けることに。
そこで診断されたのはステージ3の卵巣がんだったのだ。
子宮摘出手術を受けたステファニーさんは、化学療法を受けたあと現在までに再発はしていないという。
その後も2015年には肝臓、2016年には骨盤にもがんが見つかったというが、これらもシエラが示した反応で気付くことができたというのだ。
犬ががんを見つけられる時代に
今から7年前、空軍勤務の息子が海外に派遣されたことをきっかけに、ステファニーさんは生後9か月のシエラを譲り受けた。
3度も命を救ってもらった愛犬に対し、ステファニーさんはこう話している。
シエラは命の恩人です。神様が私のもとへ連れてきてくれたのでしょう。シエラががんの感知を間違えることはありません。
現在、日本でもにおいでがんを見つける「がん探知犬」は少ないながらも活躍している。多くは狩猟犬であるラブラドールレトリバー犬だというが、シエラのように他の犬種でもがん探知犬になれるような鋭い嗅覚を持ち、医療を手助けしてくれる犬は今後増えてくるだろう。