オーストラリアのあるビーチで
まず、こちらの写真を見ていただきたい。
これらの写真が取られたのは、オーストラリアのクイーンズランドにあるビーチ。夕日のきれいな砂浜に、なにやら、丸く青い半透明の物体が当たり一面に広がっている。
一見、その謎の物体が夕日に照らされ、幻想的にも見えるこの風景。しかし、その謎の物体の正体を知って、まだあなたはこの写真を美しいと思えるだろうか。
その正体はなんと・・・
その謎の物体の正体がこちら。
ANIMAL OF THE WEEK: The Blue Blubber Jellyfish can range in color from white to light blue to dark purple. pic.twitter.com/pUN0AyjXZr
— Adventure Aquarium (@AdventureAqua) 2015年9月8日
カラージェリーフィッシュと呼ばれる、クイーンズランドの南東に多く生息する一般的なクラゲだ。大きいものでは35cmにまで成長する。
たしかに、そう言われれば、毒々しく、気持ち悪い写真に見えてきた。
ちなみにこのカラージェリーフィッシュの別名はブルーブラバージェリーフィッシュ。直訳すると「青い脂肪クラゲ」だ。だからといって、特に何かあるわけではないが、一応面白いと思ったので。
なぜこんなことが?
まず最初の疑問が、なぜこんなにクラゲが?ということだ。
これはブルームと呼ばれるクラゲが大量発生する現象だ。日本ではエチゼンクラゲなどのブルームが発生し、漁業などに深刻な問題を与えている。この、ブルームの原因は、海水温度の上昇などが考えられているが、未だにはっきりとした原因の究明にはいたっていない。そのことから、クラゲのライフサイクルの一部だという考えもある。
そしてもう一つが、なぜこんなところにクラゲが?ということだ。
その疑問に対し海洋生物学者は、
「この現象が起こる直前、ブルームで大量発生したクラゲが風で沿岸に引き寄せられ、そして、ちょうど同じタイミングで干潮になったのだろう。その結果、クラゲはビーチに打ち上げられ、このような現象がおこった。」
と述べている。
そう、この現象は、偶然に偶然が重なって起こった奇跡の現象だと言えるだろう。海洋学者も続けて、
「クラゲが打ち上げられるのは珍しいことではない。しかし、これほどのものを今まで見たことがない。ただ凄すぎる・・・。」
と前例のないこの出来事にびっくり仰天。
被害とかはないの?
奇跡と言われても、クラゲはクラゲ。気持ち悪いものは気持ち悪い。人に被害とかないのか?それと、刺されたりしないのか?
その、質問に答えたのが、再び海洋学者。
「このクラゲは人を刺したりしない。また、砂浜に打ち上げられたことによってこのクラゲが死ぬことはない。」
え、生きてるの・・・衝撃の事実を知らされたが、人を刺さないということを聞いて一安心だ。
それを聞いてか、こんな感じで触ってる人続出中。
流れに身をまかせ・・・
ここで、もう一つの心配が。このクラゲたちはこの後どうするの?まさか手作業で・・・?。
大丈夫。どうやら、また満潮になった時に、彼らは波にさらわれ、勝手に海に戻っていくようだ。また今度来るときは、是非とも少数で来てほしいものだ。
それにしても、なんて自由気ままな人生なのだろうか。時と環境の流れに身をまかせ、なにも考えずにゆらゆらと海を漂う。何かに追われるプレッシャーもない。そんな人生もいいかなぁと思った筆者であった。
参照元:instagram [1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、Twitter、Nine News Brisbane