義足でも輝く女性たち
2016年に行われたリオのパラリンピックでは義足で活躍する強く美しい女性たちに誰しもが魅せられた。
陸上の走り幅跳び選手としてパラリンピックに出場した中西麻耶選手も注目された。彼女には強さと美しさと健常者とはまた違った魅力が溢れている。たとえどんな境遇だったとしても、強く、自らの道を開ける人は輝いているものだ。
膝から下の両足を切断しているが、強く美しく生きている女性を見つけた。
彼女の名前はキャット・ホーキンス。現在28歳。膝から下の脚がない彼女だが、ダンサーやイギリスのバレーボール選手としても活躍している、かなりアクティブな女性である。
彼女が両脚を失くしたのは2008年のことだった。大学在学中に髄膜炎を発症し、両足切断を余儀なくされてしまったのだ。人生これからというときにとてもショッキングな出来事だったはずだ。しかしそんな状況でも、私には彼女が人生を最大限に楽しんでいるように見える。
両脚を失ってからも自分を極める姿勢が美しい
キャットは4年前の2013年から自宅でヨガの勉強を始め、いまでは義足の人がやっているとは思えない難しいポーズもたくさん決められるほどのヨギーとなった。私は最初彼女のインスタグラムを目にしたとき、彼女が義足であることに全く気付かず、なにがそんなにすごいのか分からなかったほどだ。彼女の義足には彼女の神経が通っているのではないかと思うほど自然で美しい。
側転を見せるキャット。この動画、何度見ても本物の脚が動いているようにしか見えない。
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普通の人でも難しい倒立をサラっとこなして、さらには歩いている。
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シッティングバレーボールといって座ったままで戦うバレーボール。サービスエースを取ったのがキャット。
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身体が不自由だとしても彼女には出来ることがたくさんある。脚がなくなるという現実を受け入れるのはとても苦しかっただろう。それでも義足でまるで本物の脚のように歩き、ヨガをし、バレーボールをプレイする彼女の強さと美しさはとても魅力的だ。
キャットが脚を失うきっかけとなった髄膜炎とは?
髄膜炎(ずいまくえん)とは、髄膜(脳および脊髄を覆う保護膜)に炎症が生じた状態である[1]。脳膜炎、脳脊髄膜炎ともいう。炎症はウイルスや細菌をはじめとする微生物感染に起因し、薬品が原因となることもある[2]。髄膜炎は炎症部位と脳や脊髄との近接度合いによっては生命の危険があるため、救急疾患に分類される[1][3]。
髄膜炎にもいくつか種類があるようだが、細菌性髄膜炎にかかってしまうと重症化する確率がかなり高い。手足に強い痛みを感じ、壊死が始まることで切断を余儀なくされることがあるのだ。切断しなければ命が危なくなり、切断して命が助かればいいほうだという恐ろしい病気である。
それに打ち勝ち、さらには自分の道を切り開き続けているキャットは本当に素晴らしいと改めて尊敬の念を送るのであった。