フランス・パリで1月23日から26日まで開催されている『オートクチュールコレクション』。数多くのブランドが続々とコレクションを発表しているが、ファッションブランド、ヴィクター&ロルフ(Viktor & Rolf)のショーが現地では話題となっているようなのでご紹介したい。
同ブランドはオランダ・アムステルダムを拠点とするヴィクター・ホスティン氏とロルフ・スノラン氏によるデザイナーデュオによって創設された。
型にはまらない挑戦的なアプローチとコンセプチュアルでありながらエレンガトなコレクションで著名である。今回のショーの様子はファッション誌“Vogue”のInstagramに投稿されている。その型破りなコレクション、ご覧ください。
このブランドの春のオートクチュールコレクションとして発表されたのは、18種類のきらびやかなドレスたち。
そのドレスのシルエットは、上下逆さま、横向き、斜めにドレスをモデルに着せた(?)もの。上下逆さまのドレスを着た(かぶった?)モデルは前方があまり見えないようでふらふらとウォーキングしている。危ない・・。もう1人のモデルは、着る事さえせずドレスを前方にぶら下げながらランウェイを闊歩する。
上記の映像には、現時点で70万件を超える“いいね!”がついているものものの、観客やオンラインの人々からの評判はあまり芳しくなかったようだ。このデザインを天才だと称賛する人もいるが、嫌悪感を持って冷笑する人々も多い。
「ファッションはサーカスになりつつある」「今まででベストワンのくだらなさ」「これって全然クリエイティブじゃないよね?」「学校に行く準備をしてる子供がふざけてこんな格好で部屋からでてくることがある」「本当のインスピレーションが欠けた結果、こうなる」等々・・。
フランス語でオートは高級を意味し、クチュールは仕立て服という意味を持っている。つまりオートクチュールとは「高級仕立服」を意味する。
顧客からの注文によって作られるオーダーメイドで一点しかない物や高級服を作るのがそのスタイルだ。オートクチュールコレクションでは、デザイナーたちは壮大な美と予想外のエレガンスを探求するという。「オートクチュールは私たちの創造的実験の実験室です」と、20年以上パリのファッション・ウィークに登場してきたデザイナーはこう語っている。
その追及の結果、産み落とされたものは当サイトedamame.でも過去にいくつか記事にさせて頂いている。
ファッションショーで披露された花札の精霊、バーバリーの『自殺パーカー』、高級ブランド『グッチ』の黒人侮辱セーター、等々首をかしげざるを得ない物が多いのも事実だ。
壮大な芸術的実験もいいけれど、こんな妖怪みたいな格好でランウェイを歩かされたモデルのメンタルヘルスのケアについてもきちんと考えてあげてほしいと思うのは筆者だけであろうか。