3月10日、ツイッターで血の気が引くツイートが話題となっていた。
2月20日の官報の行旅死亡人をみてガクブルしている。 pic.twitter.com/j5FH1qw3LY
— べにすん (@benisboy) 2017年3月8日
嬰児(えいじ)とは、3歳くらいまでの乳児のことをさす言葉だ。40センチだと、妊娠9か月~生後1か月ごろだろう。
だがこうして報じられるということは、死産となってしまった後、役所に届けが出されないまま30年以上も経過していたと推測される。
30年前というと、つい最近のことのようにも思える。筆者の周りには30代も多いので、大きくなっていたらこうして肩を並べていたかと思うと・・・胸が痛くなる。
当時居た医師が向学心や好奇心から隠れて持っていたのか・・・。小さな診療所がホルマリン漬けをもっていること自体あまり聞いたことがないことから、ツイッター界隈では様々な意見が飛び交っている。
@benisboy 昔の骨格模型は生き物の骨をそのまま使ってる関係で100年経とうが、判明した時点で一応載せるそうです。今回のホルマリンもその関係ではないでしょうか。この手の物は廃屋で見つかったりして記録がなかったりしますので。
— 56 (@t38t34) 2017年3月9日
記録さえあれば、この二人の赤ちゃんが誰なのかを突き止めることができたかもしれない。
この場合、死産だったかどうかで扱いが変わってくるような気がする。ただ死産だった確証がなければ、一応行旅死亡人として扱うんだろか。
— 牟田口廉也(fake)(空腹実現党総裁) (@renya_mutaguchi) 2017年3月9日
30年前に出産した母親は、今でも生きているに違いない。だが、心当たりがあるとして出てきてもそれはそれで恐ろしい。
謎が謎を呼び、ツイッター上でさまざまな推理を展開し、恐怖を共有している。
身元不明の遺体「行旅死亡人」とは?
「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」とは、住所・氏名・本籍地が特定できず、引き取り手の確認できない死亡者のことだ。
遺体は発見されると、見つかった場所の自治体が火葬し、官報で特徴を発表して引き取り手を待つことになっている。
ちなみに官報というのは、国や市町村が国民に知らせたい情報をアナウンスする、国営の新聞のことだ。
ネットからならここで見ることができる。行旅死亡人については、号外の地方公共団体の項目にある。
こういったものが掲載されている
この記事から、過去にどのような公告がされたのか気になった人も多いと思う。
ここで、筆者が特に気になったものをピックアップして紹介しよう。
本籍住所氏名不詳、50〜60歳、ヨーロッパ系人種を疑わせる男性、
ハングルで安全第一と記載の紺色つなぎ、タグにロシア語茶色セーター、トレーナー、長靴等、
平成28年12月16日午後0時35分頃、青森県つがる市木造吹原屏風山1番地244にて発見。当市福祉部保護課
平成29年3月9日— 行旅死亡人情報 bot (@P_Unknown_Bot) 2017年3月9日
ロシア人で、ハングル文字のはいったつなぎの50代・・・?この事件については人物像が非常にわかりにくく、一部で話題になっている。
日本海側には中国・韓国・ロシアなどの外国人の遺体も漂着しており、行旅死亡人扱いになる場合が多い。
このように、行旅死亡人はフィクションのようでありながら現実に起きたことである。
そしてなぜ亡くなったのかという謎が生む恐怖感から、ハマる人も非常に多いようだ。
誰にも知られず亡くなることの悲しさ
こうして扱われるのは、もれなく誰にも知られず、誰かもわからないまま亡くなってしまった人々だ。
現代は孤独死が問題になるほど、人々をつなげる縁が薄れていっている。隣の家の人が亡くなっても気づかないし、誰が居なくなっても人々は全く気にしない世の中になってしまった。
苦しむ人の悲鳴が誰にも届くことなく、ひっそりと息絶えてしまう社会というのはあまりにも残酷だ。
できることならば全ての遺体に帰る場所があってほしい、と筆者は思ったのであった。
参照元;Twitter ①、②、③、④、国立印刷局 官報、Wikipedia ①行旅死亡人、②官報、行旅死亡人アーカイブ