日本でも販売されている米ブランド『Dove(ダブ)』のボディソープや洗顔剤。愛用者も多いのではないだろうか。
そんなDoveが10月6日にFacebookに公開したCM動画がマッハで物議を醸す事態に陥り、翌日には削除されることとなった。一体なぜなのか・・・。
黒人女性がTシャツを脱ぐと白人女性に!
冒頭の通り、問題の動画はすでに削除されているが、まずはこちらを見ていただこう。
So I'm scrolling through Facebook and this is the #dove ad that comes up…. ok so what am I looking at….
Goodmorning…
Naythemuaさんの投稿 2017年10月6日(金)
メイクアップアーティストのナオミさんが投稿したキャプチャ画像である。黒人女性がTシャツを脱ぐと白人女性に変身するものだが、これをみて違和感を感じた方はいるだろうか。
問題はボディソープのプロモーション動画だということだ。
そう、ボディソープを使うことで黒人が白人のように綺麗になる、と多くの人は受け取ってしまったのである。
実は2011年にも同様の人種差別CMで非難されていた!
考え過ぎでは、、、と思う人もいるかもしれない。しかしDoveは過去にも同様の人種差別CMを制作したことがあったのだ。それがコチラの画像だ。
黒人女性をビフォー、そして白人女性をアフターとあからさまに表現している。当時かなり非難されたようだが当然だろう。そして、今回2度目の人種差別を思わせるような動画を公開したというのだから、「配慮にかけている」としか言いようがない。
アメリカ放送局でコメンテーターを務めるキース・ボイキンさんはこう述べている。
Okay, Dove…
One racist ad makes you suspect.
Two racist ads makes you kinda guilty. pic.twitter.com/hAwNCN84h2— Keith Boykin (@keithboykin) 2017年10月8日
1度目の人種差別的な広告でDoveは疑われる存在となる。
2度目の人種差別的な広告はさすがに有罪だろう。
Dove「多様性を表現したかった」
これらの批判を受け、Doveは翌日10月7日には動画を削除、そして10月8日にはこんな謝罪文を投稿した。
Doveは多様性の美しさを表現することに取り組んでいます。問題の動画では黒人女性を表現する方向性が的確ではなく、このような事態に陥ってしまったことを深く後悔しています。
黒人女性や白人女性、どんなスキンカラーの人にでも使ってもらえる商品、を表現したかったのだろうが、やはり今回の動画では誤解を招いてもおかしくないだろう。
Doveに対する批判はいまだ収束しそうにないが、人種差別問題は歴史的背景があるだけに、より慎重に考える必要があったはずだ。もちろんこれはすべての人種に言えることであり、今回の出来事をきっかけに、いま一度、考える機会になったことは間違いないだろう。