絵画のつぎは女性像まで削除された!?
今、世界中でセクハラ被害を訴える人たちの告発運動として、大きな広がりを見せる#MeToo(ミートゥー)。SNS上で見られた方も多いのではないだろうか。
しかし、一部で行き過ぎた規制を受けるケースも出てきている。
先日、「裸の女性が描かれた絵画を撤去したイギリスの美術館の話題」をお伝えしたが、今度は3万年前につくられた小像までが規制の被害にあったようだ。
問題の小像はこちら。女性をかたどったもので、3万年前に作られたと言われている。
Facebook Censored a Stone Age Nude Sculpture, Venus of Willendorf https://t.co/ea1GaBNLDt pic.twitter.com/erlodxEQca
— hyperallergic (@hyperallergic) 2018年3月1日
ご覧になってわかるとおり、かなりのわがままボディであることは確かである。
検閲により、フェイスブックがHPからこの画像を削除したことに対し、やり過ぎた対応ではないかと批判の声が上がっている。
「ヴィレンドルフのビーナス」とは?
「ヴィレンドルフのビーナス」は20世紀初頭に、オーストリアのヴィレンドルフ村で発見された、およそ10センチの小像である。作成されたのは3万年前とも2万年前とも言われており、正確な時期はいまだにわかっていない。
現在はオーストリアのウィーン自然史博物館が所有しており、小さいながらも同博物館の目玉として人気がある。
見ての通り、陰部や乳房、腹部が豊満に描かれている。これは多産や豊穣に関連があると言われているが、フェイスブックはどうやらそれがお気に召さなかったようだ。
博物館のクリスティアン・コーベル館長は「ヴィレンドルフのビーナス」が裸だからといって、苦情を受けたことなど今までにない」とお怒りのご様子。
そして同博物館は「3万年近く前から裸のビーナスに服を着せることなどできない」「フェイスブックの過度な検閲は、混乱を招いていると言わざるをえない」と語っている。
エロなのか芸術なのか?
確かにエロには適切なゾーニングが必要不可欠だし、エロと芸術の線引は非常に難しい。
しかしこの小像を「危険なポルノ」とするのは、あまりに行き過ぎではないだろうか。
現代に生きる我々は議論を深め、3万年前の偉大な先人たちに恥じぬ結論を出したいものである。
参照元:Twitter