わずか生後3ヶ月の子犬・・・
ある日、スタッフォードシャー・ブル・テリアのメイシーちゃんは、苦しそうに鳴きわめいていた。メイシーちゃんは、まだ生後3ヶ月ほどの子犬だ。
飼い主のイレーナさん(Irene Paisley)はとても心配になった。それもそのはず、前に飼っていた愛犬を、最近がんで亡くしたばかりなのだ。
苦しがるメイシーちゃんを、急いで緊急動物病院に連れて行ったのだが、そこで、誰も予想しなかった衝撃の事実が明らかにされるのである。
飲み込んでいたのは、約20センチの包丁!?
病院に着いたメイシーちゃんの鼻からは、出血も確認された。事態の深刻さを直ちに察知した獣医は、メイシーちゃんにX線検査を行った。
その衝撃のX線写真がこちらだ。
Check out this incredible x-ray of a puppy that swallowed an 8inch knife: https://t.co/Lx5Wn1guSE pic.twitter.com/Fkcbg4aksC
— PDSA (@PDSA_HQ) 2017年1月17日
なんと、メイシーちゃんが飲み込んでしまっていたのは、長さ約20cmのキッチンナイフ。メイシーちゃんの胴体とほぼ変わらない長さだ。そのとき、すでに、キッチンナイフの柄はすでに胃を通過し、腸に達していたという。相当、深刻だ。
イレーナさんは、
獣医さんが、メイシーがキッチンナイフを飲み込んでいたって聞いたときは信じられなかったわ。どこでメイシーが、それを見つけたのかも分からないわ。食器洗い機から取り出せたのかもしれないけど、家族誰一人それは見なかったわ。
と困惑の様子。
飼い主の不注意の可能性もあるが、とにかく、イレーナさんの心配ぶり、犬好きを考えれば、故意でないことは間違いない。
手塚治の漫画、ブラックジャックの主人公である間黒男の体内に取り残されていた医療用のメスでさえ、15cmほどだ。それよりも長いものが、メイシーちゃんの小さな体の中になんて・・・想像するだけで恐ろしい。
担当した獣医も、このようなX線写真を見るのは初めてと驚きを隠せなかった。
手術は・・・
メイシーちゃんの状態の深刻さから、すぐに手術は行われた。
その結果・・・
無事手術は成功した。これは実際のメイシーちゃんの術後の写真だ。
次の日の朝には、もうすでにそこらじゅうを跳ね回るメイシーちゃんの元気な姿が見られたらしい。
本当に良かった。獣医によると、キッチンナイフの持ち手側から飲み込んだのが不幸中の幸いで、刃部分が臓器を傷つけるのを最小限に抑えられたことが、メイシーちゃんが助かった大きな要因であるようだ。
なにはともあれ、犬好きとして、手術を成功させた獣医さんたちには、感謝と大きな拍手を送りたい。
恐れ知らず??
最初にも述べたが、メイシーちゃんはスタッフォードシャー・ブル・テリアというイギリス原産の中型犬である。
筋肉質でガッシリとした体形のスタッフォードシャー・ブル・テリア【今日のいぬ】https://t.co/urF4AlwJN3#petgo #dog #犬 #ペット pic.twitter.com/xCznnw6Gdu
— petgo(ペットゴー) (@petgo_japan) 2016年6月30日
どうやらこの犬種、もともとは闘犬として広く知られていた。その恐れ知らずで、従順、機敏、そして強靭な体つきから、イギリスで闘犬が禁止されるまで根強い人気を誇っていたようだ。
その勇猛果敢、恐れ知らずというメイシーちゃんの本能が、包丁を飲み込むという今回のような事故を招いてしまったのだろうか。しかし、本当にそうならば、恐れ知らずというよりは、ただのアホかなと思ってしまう。
いや、今回は、幼いメイシーちゃんの強い好奇心が招いた不運な事故だと思いたい。
気をつけて!
PDSAという動物の治療を全般的に行うNPO組織によると、今回のメイシーちゃんの事故のように、ペットが物を飲み込んでしまうという事故は珍しくないようだ。最悪の場合、命を落としてしまうケースもある。
もし皆さんも、ペットを飼っているならば、今回のメイシーちゃんのような事故が起こらないよう、しっかり気をつけていただきたい。