東京都が「女性向け」の防災マニュアルを配布、被災地での女性達の悩みが明らかに!

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災害対策の必需品「東京防災」

6月末以降、広い範囲で記録された集中豪雨。西日本を中心に多数の死者・負傷者を出し、平成以降最悪の豪雨災害となった。

被災地域の様子が連日メディアで報道され、人々の防災意識が高まる中、ネットで注目を集めているのが「東京防災」である。

「東京防災」は、2015年に東京都内の全世帯に配布された防災用のハンドブックである。内容は災害に対する備え、対策、避難生活などについてイラストとともにわかりやすくまとめたもので、東京都の公式ウェブサイトでも無料で閲覧できる。

「東京防災」が作成された当時の東京都知事は舛添要一氏。ネットでは「舛添氏の唯一の功績」との辛口コメントも見られている。

女性視点の防災ブック「東京くらし防災」

2016年より、東京都知事は舛添氏から小池百合子氏へバトンタッチ。2018年3月、女性視点の防災ブック「東京くらし防災」が発刊された。

ピンクの表紙の女性版「東京防災」。女性6人による編集・検討委員会が作成したもので、東京都内の大手量販店やネイルサロン、美容院などで配布されている。

この中から、女性ならではの防災・防犯をいくつかピックアップして以下に紹介する。

出かけるときの防災

・災害時、高層階から階段で降りたり、長時間歩く際にハイヒールでは危険。会社にスニーカーを置いておくなどの工夫を。

・大判ストールを持っていると、非難時に粉じんによる汚れを防いだり、マスク・包帯・日よけ・ブランケット・避難所での間仕切り代わりとして使える。

・妊婦の場合、母子健康手帳をいつものバッグに入れておく。災害時、かかりつけ医に診てもらえない場合でも、医療機関で過去の情報を正確に伝えられる。記入のあるページだけコピーしておいたり、母子健康手帳用のアプリを使ってスマートフォンにデータを保存しておく方法もある。

トイレでできる防災

・被災時は、ストレスで生理不順になることがある。生理用品は、少なくとも一周期分余分にストックがあると安心。

・デリケートゾーン専用のウェットシートや洗浄綿を備えておけば、不快感を抑えるのに役立つ。また、携帯用ビデの中の精製水で清潔な紙を湿らせて使う方法もある。

・清潔な下着は、女性にとって外陰炎やぼうこう炎を予防するためにも大切。パンティーライナーや紙の下着など、使い捨てできるアイテムの中から自分に合う物を備えておけば、役立つ。

子供と備える防災

・急いで避難する場合、ガレキが散らばる路面や人混みをベビーカーで移動するのは危険。抱っこひもを準備してお散歩へ。「前抱っこ」なら子供の頭を守りやすい。

・地震などでゆれを感じたら、子供と向かい合って、自分のお腹あたりに、子供の頭を抱きかかえるように丸くなる。子供と離れた場所にいるときは、まずは自分の安全を優先。むやみに子供の名前を呼ぶと、かえって子供が動いて危険なので、ゆれが収まってから、子供のもとへ移動する。

・公衆電話は災害時の連絡手段のひとつ。公衆電話の使い方を知らない子供には、使い方の練習を。

在宅避難での防犯

・被災地では、混乱に乗じた空き巣などの窃盗や詐欺などの犯罪行為が発生する事がある。在宅避難する際は、普段以上に防犯意識を持たなければならない。

・外出時でも在宅をアピールすることが大事で、男性ものの洗濯物をベランダに干しておくのが有効。

避難所での防犯

・避難所では女性や子供を狙った性犯罪や暴力など、さまざまな犯罪が発生する。可能な限り単独での行動は避け、常に複数人で行動して身を守る。

・日中でも、人気のない場所や、周囲の目が届かない場所には近寄らない。

避難所での子育て

・授乳は母子のタイミングでできることが大切。授乳室など、母子が安心して授乳できる空間を確保できるよう、周囲の人も協力を。

・被災時は一時的に母乳の量が減ることがある。優先的に母親に食べ物や飲み物を提供したり、精神的なサポートをするようにまわりも協力を。

・粉ミルクを使う際に哺乳瓶が消毒できない場合は、使い捨て紙コップや使い捨てスプーン、滅菌ガーゼに沁み込ませるなどの方法でも授乳することができる。

画像はイメージです

「東京くらし防災」には、子育てからデリケートゾーンの衛生まで、女性が悩みがちな問題についての対策が、イラスト付きでわかりやすく説明されている。

こちらも「東京防災」と同じく東京都のサイトから無料で閲覧できる。以下、参照元としてリンクを貼っておく。なお、スマートフォン用のアプリもある。

参照元:東京くらし防災(PDF)東京防災

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yamada

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