クリスタル洞窟とは?
メキシコ、チワワ州というなんともかわいい名前の州にある、ナイカ鉱山。その地下300mで発見された「クリスタルの洞窟」。
これが地球のどこかにあると言われてもにわかに信じられない。宇宙のどこかならまだしも。
写真のように、洞窟内はクリスタルで埋め尽くされている。この結晶の中には世界最大級の大きさのものも含まれていて、最も大きいもので長さ11メートル、重さ50トンに及ぶ。
さらに洞窟内は気温60度近くに達し湿度も100%近くあるので、生身の人間は10分しか生きられないらしい。そのため、中に入るには特別な装備が必須だ。人間が立ち入って良いような場所じゃなさそうだ…
世紀の大発見!
実はこの「クリスタル洞窟」、日の目を見て久しくない。2000年、サンチェス兄弟がトンネルを掘っていた際偶然発見した。兄弟はすぐに責任者のゴンザレスに連絡し、事の重大さを悟ったゴンザレスはすぐにトンネルを埋め戻したそう。以降も洞窟は鉱山の管理会社の管理下にあり、許可なしでは入ることが出来ない。
そりゃあ誰でもこんな洞窟を見つければ肝っ玉冷やすのも当然だ。賢明な判断を下したゴンザレスには尊敬の念を禁じえない。
巨大化のワケ
ナイカ鉱山にはマグマ溜まりがあり地下水を50度近くまで熱する。それが洞窟内の空洞を満たし、硫酸カリウムなどで飽和する。その状態が1985年ポンプによって排水されるまで約50万年も続いたらしい。その間に結晶の成長が大きく促進された。
50万年前とは原人が火を使い出したぐらいだといわれている。自然の凄みがひしひしと伝わってくる。
自然の神秘
いかがだっただろうか?実はこのクリスタル洞窟、後10年ほどで鉱山の操業が終了し排水が行われなくなる予定なのでそうなると、もうこの結晶はなくなってしまうという。
2009年立ち入りが禁止されて以来人が見ることのできなくなったこのクリスタル洞窟。
自然の偉大さを感じずにはいられなかった筆者でした。